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フォトグラファー佐貫直哉が撮った激闘の瞬間

posted2018/04/06 10:00

 
フォトグラファー佐貫直哉が撮った激闘の瞬間<Number Web> photograph by Naoya Sanuki

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佐貫直哉

佐貫直哉Naoya Sanuki

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Naoya Sanuki

ワールドカップ日本/韓国大会グループリーグ第3戦(大阪 長居スタジアム)

日本 2-0 チュニジア

 日本中が注目していたから、この試合を覚えている人も多いと思う。日本は初戦のベルギー戦を2対2で引き分け、続くロシアには1対0で勝利。3戦目のチュニジア戦は、1点差で負けても、日本のベスト16進出が決まるという状況だった。

 試合当日の長居スタジアムは4万5000人を超えるサポーターで超満員。スタンドから降りそそぐ「ニッポン! ニッポン!」の大歓声でピッチ上は試合前から異様な熱気に包まれていた。

 6月の粘りつくような湿気が漂う中、始まった試合は、日本が圧倒的にボールを支配するものの、チュニジアが自陣のゴール前でがっちり守っていたこともあり、なかなかゴールは生まれなかった。

赤毛のモヒカンが見せたサムライ魂。

 そして、ときおり繰り出されるチュニジアのカウンター。前半ロスタイムのこのシーンも、もし戸田和幸が止めていなかったら、あわや1点という場面だった。

 日本の左サイド、中田浩二と戸田の間をドリブルで突破し、ペナルティエリア内に進入したトラベルシを、戸田がすばやく反転、後ろから追いかけて、足を伸ばしてクリアする。倒されたトラベルシはPKを主張するものの、ススッと近寄った戸田が頭を触れんばかりに近づけて、ひと言、ふた言、言葉を発する。

 大歓声に消されて、何を言ったのか、ゴールラインで撮影していた僕には聞こえなかったが、たぶん「ざぁけんじゃねえぞ! てめえ、わざと大げさに倒れやがって」とでも言っていたのではないだろうか(すいません、戸田さん、汚い言葉使いで)。

 もちろん1点差負けでもグループリーグは突破できたわけだが、もし戸田の気力溢れるプレーがなかったら、後半の森島寛晃と中田英寿のゴールはおろか、勢いにのったチュニジアに追加点を奪われていたかもしれない。

 赤毛のモヒカンが見せた、サムライ・スピリット。それを冷静に見守る、“バットマン”と呼ばれたフェイスガード着用のキャプテン宮本恒靖。

 体をはったプレーで何度も日本のピンチを救った、素晴らしいディフェンス陣だった。

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