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二刀流の調整は、時間が2倍必要だ。
大谷翔平が開幕に焦る必要はない。
posted2018/03/21 07:00
text by
笹田幸嗣Koji Sasada
photograph by
Getty Images
二刀流。
前例がないだけにその調整は、長年メジャーリーグの春季キャンプの取材をしてきた中でも、つくづく大変なものだと感じている。
立ちはだかる適応の壁がこれほど多く存在した選手は、過去の日本人メジャーリーガーを見渡しても彼以外にはいない。
また、場所が乾燥気候のアリゾナであることも、高温多湿でボールが扱いやすいフロリダと比べれば、投手にとって酷な環境と言える。
その中でも、23歳の大谷翔平は必死に調整を続けている。
3月18日現在、大谷の実戦成績は以下の通りだ。
<投手>4試合、8回1/3、19被安打、19奪三振、17失点、防御率18.36
<打者>9試合、24打数2安打、0本塁打、3四球、1打点、打率.083
大谷が「開幕はマイナー」なのか?
投手としては滑りやすいメジャー公式球、硬く急勾配のマウンドへの対応に苦しみ、制球がなかなか安定しない。
打者としてはメジャー投手へのタイミングが合わず、差し込まれてしまう場面が多い。そして連続打席無安打は13に伸び、バットを何度も折っている。
そして、今、アメリカのメディアは二刀流の厳しい現実を前に、大谷は開幕をマイナーで迎えることが「筋の通っている話」だとも表現するようになってきた。
かくも、周囲はざわついているのだ。