日々是バスケBACK NUMBER
バスケ日本代表に15歳の超新星!
田中力は東京五輪の切り札になる?
posted2017/11/09 11:30
text by
宮地陽子Yoko Miyaji
photograph by
Shin Hamada
日本バスケットボール協会が11月8日に発表した、2019年FIBAワールドカップアジア地区1次予選の最初の2試合(11月24日対フィリピン、27日対オーストラリア)の代表予備登録メンバー24名に、中学3年、15歳の田中力が登録された。
田中は10月30日から11月1日まで行われた日本代表第9次強化合宿に招集されたばかり。U16代表チームでも上級生に混じって練習してきた田中だが、A代表では20代を中心に、上は35歳までの大人の選手の中に飛び込んだ。
8月末のU16代表合宿中に話を聞いたとき、田中は東京オリンピックに出る夢を語ったうえで、A代表に入るには「まだ足りないところだらけ」と認めていた。
そんな彼を候補とはいえ、A代表の合宿に呼んだのは、日本代表ヘッドコーチのフリオ・ラマスヘッドコーチの強い希望によるものだったという。
協会内には、ゆっくり育てたほうがいいのではないかとの意見もあったが、少しでも高いレベルを経験し、成長につながるようにとの思いで招集した。日本バスケットボール協会技術委員長の東野智弥は「世界の扉を開くべく、良い経験をして貰いました」と言う。
「常に全力で遠慮なく大胆にプレーできる選手」
東野は「経験」と言ったが、一方で、田中が現在所属しているBリーグの横浜ビー・コルセアーズ下部組織のヘッドコーチ、白澤卓ヘッドコーチは、合宿に参加する前の田中に、「経験としてではなく、本気で挑んでこい」と送り出したという。
「彼はどこに行って、誰とプレーしていても常に全力で遠慮なく大胆にプレーすることができる稀な選手。高校生とやっても、何ら臆することなく挑み、向かっていきます。それが、彼を成長させる大きな要素で、強みだと思っています。突然の代表選出だったため、心の準備が間に合わず、年齢が倍ほどのプロ選手に遠慮することも想像できましたが、それでは何もプラスを生まないと思い、話をしました」と白澤は、その意図を説明する。