第94回箱根駅伝(2018)BACK NUMBER
「3強」は青学大、神奈川大、東海大だが……。
今季の箱根駅伝は、どの大学も面白い!
posted2017/11/09 11:00
text by
生島淳Jun Ikushima
photograph by
Kyodo News
11月5日に行われた全日本大学駅伝のゴール地点。3位に終わった青学大の原晋監督は悔しさをにじませながら、箱根駅伝への見通しを話していた。
「てっきり、今回の箱根駅伝はウチと東海大の一騎打ちかと思っていたら、神奈川大は強いね。箱根の1区から3区までの経験者がそのまま残っているし、ミスをしてたら逃げられてしまいますよ」
2018年の箱根駅伝は、4連覇を目指す青学大と、出雲駅伝の優勝校、東海大の両雄の激突になる――。そう予想する関係者が多かったのだが、全日本大学駅伝を20年ぶりに制した神奈川大の力は青学大、東海大に匹敵することが明らかになった。
今季の箱根駅伝は、この「3強」を軸に展開することになるだろう。
「箱根駅伝はスクールカラーを反映する」
面白いのは、3校の色合いが異なっていること。全日本で一気に注目度を上げた神奈川大は、前回の箱根駅伝「花の2区」で区間賞を獲得した鈴木健吾がいるものの、基本的には堅実な選手が多い。大後栄治監督は、
「箱根駅伝というのは、不思議なものでスクールカラーを反映するんです。青学大は華やかですし、早大は卒業生の瀬古(利彦)さんや、東京オリンピックを狙っている大迫(傑)君のような世代を代表するスターが生まれてくる。ウチは、地道に真面目な選手が多いんです」
と話すように、堅実な走りが特徴。
4連覇を目指す青学大は、今年も学生界を代表するランナーが揃っている。4年生には田村和希、下田裕太という箱根駅伝の区間賞獲得者が顔を揃えている。彼らはチームとして箱根駅伝で一度も負けていないのも強みだ。ただし、原監督は、
「今年は一度も、エースが揃って活躍したことがないんです。エースがエースらしい働きをすることが優勝への絶対条件です」
とエース格の選手たちの奮起を期待している。