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2017年のドラフト1位候補は4人!
清宮、中村、安田、田嶋は重複必至。

posted2017/09/02 11:30

 
2017年のドラフト1位候補は4人!清宮、中村、安田、田嶋は重複必至。<Number Web> photograph by Hideki Sugiyama

甲子園を覆った打高投低の流れは、ドラフトでも続きそうだ。清宮、中村、安田の3スラッガーは1位指名確実と言える。

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小関順二

小関順二Junji Koseki

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Hideki Sugiyama

 今年のドラフト会議は10月26日(木)に行われる。つまり来月に迫っている。第28回WBSC U-18ベースボールワールドカップ(以下、U-18W杯)の前哨戦、高校日本代表対日本大学との練習試合を見に行ったときのこと、周辺にスカウトがたくさんいたので「今年の指名候補はおおよそ決まっていますか」と聞くと、オリックス、日本ハムのスカウトから「まだですよ」と苦笑い付きで返された。

 オリックスの中川隆治・球団本部編成部アマスカウト・グループ長は「うちはそもそも当日に決まることが多いですから」と教えてくれた。そういうわけで今の時期、どの球団が誰を指名するのかという記事はたいがい書き手の憶測である。

 ある球団の埼玉担当スカウトは「今年は1位清水達也(花咲徳栄・投手)、2位西川愛也(花咲徳栄・外野手)で行くぞ」と言っているらしいが、清水はともかく右肩を故障して満足に守れない西川の2位指名はちょっと考えられない。不確実な情報・発言が飛び交っている今こそ、冷静に各球団の弱点を見ながら誰を指名したらいいのか考えてみた。

 まず、進学ないしは企業への入社が確実視されている有力高校生は次の通りである。

 古屋敷匠真(八戸工大一・投手)、皆川喬涼(前橋育英・投手)、山下輝(木更津総合・投手)、牧丈一郎(啓新・投手)、徳山壮磨(大阪桐蔭・投手)、森井絃斗(板野・投手)、三浦銀二(福岡大大濠・投手)。彼らを除いてまず1位入札から考えてみよう。

清宮幸太郎はやはり高評価、巨人と阪神が1位か?

清宮幸太郎(早実高)……楽天、日本ハム、阪神、巨人、ヤクルト
中村奨成(広陵高)……ソフトバンク、広島、中日
安田尚憲(履正社高)……オリックス、ロッテ
田嶋大樹(JR東日本)……西武、DeNA

 王貞治・ソフトバンク取締役会長が「11球団は1位指名で行く」と言った清宮はどうだろう。プロ野球界は和製大砲が常に不足しているので、王会長の発言は信憑性がある。たとえば中田翔、大谷翔平が来季チームに残っているかどうか微妙な日本ハムは絶対に欲しい。外国人打者を打線に3人並べている楽天も同様だ。

 セ・リーグに目を移せば、伝統球団の巨人と阪神はスター候補の高校生スラッガーは絶対に欲しいし、ヤクルトはチーム事情だけ見ればいらないが、清宮、山田哲人、バレンティンが並んだ打線は魅力がある。もし入札するのがセ・リーグ3球団、パ・リーグ2球団のままだったら、清宮はセ・リーグの球団に入る確率が高くなるということだ。

【次ページ】 「谷繁以上」と言われる中村奨成は全球団が欲しいが。

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