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日本のS級は欧州では無価値なのか。
藤田俊哉が考えるライセンス問題。 

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藤田俊哉

藤田俊哉Toshiya Fujita

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posted2017/08/31 11:30

日本のS級は欧州では無価値なのか。藤田俊哉が考えるライセンス問題。<Number Web> photograph by Toshiya Fujita

オランダでも指導者として高い評価を受けている藤田俊哉氏。欧州で監督になる、という夢のためにも、ライセンス問題は早期解決を望みたい。

 車の運転をするたびに必ずと言っていいほど考えることがある。それは「コーチライセンス」について。申請するだけでほぼ世界中で通用する車の運転免許証のように、サッカーのコーチライセンスもそのようにならないかなと考えるのだ。

 FIFAの傘下にある6大陸、211の国・地域で取得したライセンスは、全てにおいて共通の価値があるのではないか? 指導者はそこから本人が考える方向へ進み、出した結果によって評価されればいい。多くの指導者もそのように感じているのではないかと思う。

 一定のコーチングスキルを認められた後に発行されるライセンスには、必要以上の価値が付くものではない。先月、本田圭佑が「必要最低限のルールテストで合格すればS級を渡すべきで、その方が絶対にサッカー界にとっても有益なんです。そもそも指導法に正解なんてないんですから。1人では何も変えられないので皆でルールを変えましょうよ」とライセンスについての持論を展開していた。

 私自身は選手時代にコーチライセンスについて考える余裕などなかったから、そのような意見が飛び交うことはサッカー界の成長の証と言っていい。現役生活を終えた多くの選手も、いずれ指導者になるケースも多いはずだから、ぜひ積極的に参加してもらいたい。

 そして近い将来、JFA(日本サッカー協会)の指導者ライセンスも“書き換え”をするだけで海外でも通用するようになれば、日本人指導者のヨーロッパ進出の可能性が大きく広がることになる。私は強くそれを願っているが、現時点でまだはっきりしたものはない。

日本でS級を取っても、欧州では意味がない?

 私がコーチライセンスについての確認を始めたのは2013年。オランダに来る前からだから、もう4年以上経つ。

 名古屋グランパス時代のセフ・フェルフォーセン監督(セフさんはVVVフェンロの監督も経験)にも相談した。KNVB(オランダサッカー協会)とはVVVフェンロのディレクターが交渉中で、そのKNVBはUEFA(欧州サッカー連盟)とも交渉してくれている。しかし、なかなか色よい返事はもらえていない。

 理由としては、各大陸間のサッカーレベルの違いや各国のライセンス講習の内容、カリキュラムの違いなどがあるという。なので、それらを統一して考えることは難しいとの見解なのである。しかし各国のサッカーレベルはFIFAランキングでも示されているわけだし、W杯の出場回数などから計る方法もある。だからライセンスの書き換えに関して、最低限のガイドラインは作ってもらいたい。

【次ページ】 互換性がなければ、最初から欧州へ行くしかなくなる。

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