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飯伏幸太の熱中症トライアングル。
27年目のG1クライマックス開幕!

posted2017/07/18 17:30

 
飯伏幸太の熱中症トライアングル。27年目のG1クライマックス開幕!<Number Web> photograph by Essei Hara

苦戦を承知で地獄のG1戦線に戻ってきた飯伏。その目に宿る野望は、未知数の怖さを湛えている。

text by

原悦生

原悦生Essei Hara

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Essei Hara

 帰ってきた飯伏幸太が「プロレス総選挙」1位男・内藤哲也とぶつかった。

 7月17日の月曜日、札幌・北海きたえーる。G1クライマックス開幕戦。

 飯伏が札幌でメインをとるのは、2年ぶりだ。その時は、「神のようだった(飯伏)」棚橋弘至との戦いが新鮮だった。

 だが、棚橋からここでもメインの座を奪い取った内藤との遭遇は、飯伏にとって、より新鮮なものになったようだ。

「消化試合」vs.「初日を乗り切らないと次がない」

 ここ数カ月、飯伏がどこかに隠れている間に、内藤本人は変わらないようでも、内藤を取り巻く環境は大きく変わっていた。

 飯伏はG1のキツサを知っている。2年前の参戦時は、4勝5敗という成績だったのだ。

 今回、「飯伏戦なんか消化試合」とうそぶく内藤に対して、飯伏は「初日を乗り切らないと次がない」と必死に自分を追い込んでいた。自身のフィニッシュホールドである「フェニックス・スプラッシュ」を封印して、新必殺技の開発に頭と体を使ってきたのだ。

 開幕の5日前に公開練習が行われた。

 飯伏は、プロレスにかけるあまりの情熱のために疲れていた。いや、疲れ切っていた、と言い換えた方がいいくらいひどく消耗していた。

 酷暑に見舞われる今の日本で、まさに「プロレス熱中症」状態だった。

 それでも、この疲労がいい具合に回復すれば……開幕戦はいいコンディションで迎えられるはずだ、という感覚があった。

【次ページ】 「自分がやってきたことがゼロとして……」

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