酒の肴に野球の記録BACK NUMBER
張本勲の3085安打を超えるとしたら!?
20代で1500本に迫るその男の名は……。
posted2017/06/29 07:00
text by
広尾晃Kou Hiroo
photograph by
Hideki Sugiyama
私は2017年、四国によく出かけた。MLB通算555本塁打のマニー・ラミレスを一目見たいと思ってのことだ。高知ファイティングドッグスは「マニー人気」で沸き立った。
しかしマニーは試合が終わるとさっと帰ってしまうことが多い。でも、そのあと、球場でサインや記念撮影のために長々と行列ができる。ファンに大人気なのは、高知ファイティングドッグスの駒田徳広監督だ。
巨人、横浜のスター選手だった駒田監督は、嫌な顔ひとつせず、ファンの求めに応じてサインをし、写真に収まっている。頭が下がる思いだ。
ファンのおじさんがつぶやく。
「やっぽり、2000本安打じゃもんね」。
そうなのだ。駒田徳広は通算、2006安打。ぎりぎりではあるが大台をクリアし、「名球会会員」になっている。大選手の1人と言っていいだろう。
野手の選手寿命の延びとともに、2000本安打をマークする打者はどんどん増えている。かつてのように「2000本安打、即、殿堂入り」ではなくなった。名球会会員であっても、殿堂入りしていない選手も結構いる。
2000本まで100本を切っているのは現在4人。
しかし、2000本安打がプロ野球選手にとって大きな目標であることは間違いない。
1936年のスタート以来、NPBの一軍の試合に出場した選手は累計で6400人を超えるが、2000本を打ったのは、この間の荒木雅博でようやく48人目。2000本安打者は超エリートなのだ。
2017年6月時点で、あと100本以内で2000本に到達する打者が4人いる。
阿部慎之助(巨人)1969本
内川聖一(ソフトバンク)1960本
福浦和也(ロッテ)1945本
鳥谷敬(阪神)1937本
故障中の選手もいる。中には年齢的に厳しいかなと思える選手もいるが、おそらく、2000本をキャリア最後の目標として、彼らは頑張るだろう(※編集註:この後4選手全員、2000本安打を達成した)。