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池江璃花子、リオ後1年での急成長。
泳ぎに泳いで見え始めた世界の頂点。
posted2017/04/03 07:00
text by
松原孝臣Takaomi Matsubara
photograph by
Kyodo News
4月13日から16日にかけて、7月にハンガリー・ブダペストで開催される世界選手権の代表選考を兼ねた競泳の日本選手権が行なわれる。
出場選手のエントリーが発表されたが、注目の1人が池江璃花子である。今大会では、50m自由形、100m自由形、200m自由形、50mバタフライ、100mバタフライの5種目の出場を予定している。その立場は、1年前とは大きく異なる。
2016年4月の日本選手権。池江は50m自由形、100m自由形、200m自由形、100mバタフライの計4種目にエントリー。100mバタフライで代表選考の基準をクリアし、同種目のリオデジャネイロ五輪の代表に選出された。
そのレース直後は涙が止まらず、インタビューでもはじめは言葉にならないほどだった。また、400mフリーリレー、800mフリーリレー、400mメドレーリレーでも代表入り。リオ五輪では、さらに自由形にも出場、日本競泳史上最多の7種目で泳ぐことになり、個人種目では100mバタフライで決勝に進んだものの、自由形では決勝に進むことができなかった。
得意の100mバタフライでは世界ランキング1位に。
10代中盤にして経験した大舞台から1年の歩みは、池江というスイマーの恐るべき能力を示してきた時間でもある。
記録の面で見ても、さまざまな種目で日本新記録を連発。しばしば自身の日本記録も塗り替え、長水路で5種目、短水路では4種目の日本記録を保持するまでになった。
長水路で5種目の日本記録を一度に持つ選手は史上3人目で、得意の100mバタフライは、現段階の世界ランキングでは1位。さらに、自由形でも世界大会で決勝進出が可能なレベルにまで到達している。