濃度・オブ・ザ・リングBACK NUMBER
女子格闘技は美しくて逞しいのだ!
RIZIN皆勤賞のRENA、その使命感。
posted2016/12/24 07:00
text by
橋本宗洋Norihiro Hashimoto
photograph by
Chiyo Yamamoto
日本格闘技界の2016年は“再メジャー化元年”だったと言える。再び、世間と真っ向から向き合い始めたのだ。その大きなきっかけとなったのが、昨年末にスタート、フジテレビで中継されているRIZINである。
中継だけでなく格闘技情報番組『FUJIYAMA FIGHT CLUB』も毎週金曜日に放送。またテレビ東京で放送されている新生K-1は、常に超満員の観客を集めている。
もちろん、地上波=ブーム復活というわけではない。インターネット放送局のAbemaTVは格闘技チャンネルを開設し、K-1やKrush、パンクラス、さらにONE FCなど海外の大会も生中継している。無料かつ登録も不要、スマートフォンで外出先でも見られるAbemaTVによって、格闘技を見るハードルは相当に下がったのではないか。
チョークで極めた山本美憂戦はTV中継のメイン扱い。
そして何より重要なのは、格闘技の新しい熱を呼び起こしているのが、若くフレッシュな選手たちだということ。その筆頭が、K-1で2階級制覇を果たした武尊だ。一般公開される計量や記者会見にも足を運ぶ女性ファンを見ていると、本当に感慨深いものがある。格闘技界は“昔に戻った”のではなく、新しい時代を作っているのだ。
ミルコ・クロコップの復帰なども話題になるRIZINだが、それは一面でしかない。テレビ視聴者に“新しさ”という意味での魅力を提供しているのは、これまでビッグイベントとほぼ無縁だった女子ファイターたちだ。
RIZIN女子を牽引するRENAは、昨年大晦日から皆勤賞。MMA2連勝を飾っている。初戦は飛びつき腕十字を極めて絶大なインパクトを残し、2戦目は山本美憂のタックルを封じた上でニンジャチョーク。立ち技格闘家の寝技フィニッシュは意外であり、かつ見事というほかなかった。この山本戦は、フジテレビでは中継の最後、つまりメイン扱いで放送されてもいる。