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内藤哲也のプロレス大賞は「期待賞」。
もっともっと世間を騒がす存在に!
posted2016/12/15 11:00
text by
原悦生Essei Hara
photograph by
Essei Hara
2016年度のプロレス大賞が発表になった。
東京スポーツ新聞社制定のプロレス大賞のMVPは新日本プロレスの内藤哲也。
年間最高試合賞は7月18日、札幌大会、北海きたえーるでのG1クライマックス開幕戦、オカダ・カズチカvs.丸藤正道。
まずは、昔からの選考のしきたりに従って、年間最高試合から選ぶと、私も同感だ。オカダvs.丸藤は2試合あって、2つとも現場で見た。
もしかしたら、10月10日の両国国技館でのIWGPヘビー級王座をかけた再戦の方が投票ポイントを稼ぐのではないかとも思った。これも結果は逆になったが、印象的な試合だった。試合会場が国技館ということで見ている人も多く十分に可能性があった。
7月の札幌は、丸藤がオカダのレインメイカーを封じて、エメラルドフロウジョンからフォール勝ちした試合だ。
初顔合わせの試合というスリルが受賞の理由か。
確かに、初顔合わせというのはそれなりのスリルがある。
殺してやる、とか物騒なことを言わなくても、何をやるのだろう、何かをやってくれるのだろう、という期待感を抱く。レスラーだって、初めてというのはリスクと抱き合わせだが、緊張感とワクワク感があるだろう。それが、2回目、3回目になると徐々に薄れてくるのは避けられない。
ファンの印象も、記者の印象も同じでそんなものだ。
試合を見た後で「よかった」とか「すごかった」というのは、主観的見方と客観的見方の合わせ技だが、主観と印象が結局は優先される。
内容的には10月の両国の方が濃かった印象もあるが、ファースト・コンタクトのスリルとIWGP王者が負けたという結果で、第1戦が再戦を上回った。