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岩田寛を支えるチームと“兄貴分”。
ヒゲを剃り、笑顔が増えたその理由。

posted2016/06/07 10:30

 
岩田寛を支えるチームと“兄貴分”。ヒゲを剃り、笑顔が増えたその理由。<Number Web> photograph by Sonoko Funakoshi

メモリアルトーナメントの練習場で、談笑する「チーム岩田」。ゴルフ界では最近「I」ではなく「We」を主語にする選手が増えている。

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舩越園子

舩越園子Sonoko Funakoshi

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Sonoko Funakoshi

「飛行機の翼がピンと張り詰めたままだったら折れちゃうだろう? 人間だって幅を持たせないと、もたないぞ」

 米ツアーで戦う岩田寛にそう言ったのは、哲学者でも航空学者でもなく、はたまたメンタルトレーナーやスポーツ心理学者でもない。言葉の主は、岩田が日本ツアー時代から公私に渡って頼りにしている兄貴分のような存在の日本人ビジネスマン。ここでは「一郎さん」とだけ記しておこう。

「一郎さんは35歳の僕をいまだに怒ってくれる大事な人。そういう人がいるというのは幸せなことです」と、岩田はミドルエイジのこの男性に、絶対的な信頼を置いている。

 かつて日本ツアーで未勝利だった時代から、岩田の人柄や姿勢、秘められた可能性に惚れ込んだ一郎さんは岩田にエールを送り続けてきた。2014年にフジサンケイクラシックで初優勝し、上海で開催された世界選手権シリーズのHSBCチャンピオンズで3位に食い込んだときも、米ツアー出場権獲得を目指してウェブドットコム・ファイナル4戦に挑んだときも、一郎さんは岩田を応援し続けてきた。

 しかし、晴れて米ツアーで戦い始めた岩田の転戦の日々を今年の4月末に初めてアメリカの現場で直に見た一郎さんは、その様子に驚き、即座に声をかけた。それが冒頭の言葉だった。

 岩田自身にも彼のゴルフにも結果にも、そしてチーム岩田にも、さまざまな変化が見え始めたのは、それからだった。

成績が出ず、出場できる試合が限られていく。

 今季、岩田の成績はなかなか上がらなかった。予選通過と予選落ちは、ほぼ半々。予選通過できたとしても下位に沈み、出場できる試合はどんどん限られていった。

 2月のペブルビーチ・プロアマでは最終日を最終組で迎え、初優勝のチャンスを掴んだが4位に終わった。その後も予選落ちが目立ち、表情は暗くなるばかりだった。

【次ページ】 若く見られまいとたくわえていたヒゲを剃る。

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