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レスターは好感度最高の優勝候補?
他クラブのファンまで「異議なし」。

posted2016/02/11 11:00

 
レスターは好感度最高の優勝候補?他クラブのファンまで「異議なし」。<Number Web> photograph by AFLO

困ったような顔がチャーミングなラニエリ。しかし、やはり彼はただの好々爺ではなかった!

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山中忍

山中忍Shinobu Yamanaka

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 レスターの勢いが止まらない。開幕前の降格候補は、2月6日のプレミアリーグ25節でマンチェスター・シティとの首位攻防戦を制すると、ついに巷でも優勝候補の最右翼と言われるまでになった。

 優勝候補筆頭格に敵地で快勝(3-1)したのだから当然の反応だろう。マンCに代わって首位に5ポイント差の2位に浮上したトッテナムの元監督でもあるハリー・レドナップなどは、『テレグラフ』紙のコラムで「もはやレスターの勝利は番狂わせでも何でもない」として、新たな優勝候補の実力を認めている。

 カウンターを得意とするレスターにとって、攻撃重視のマンCは戦いやすい相手だという見方はある。相手は守備の要であるバンサン・コンパニを怪我で欠いてもいた。しかし、通常は格上を相手に「言うは易く行うは難し」であるはずの一戦。

 ところがレスターは、守っては統制を欠かずに終盤の1失点のみに抑え、攻めても60分までに3得点というそつのなさ。セットプレーからCBのロベルト・フートが決めた先制点とだめ押し点の間には、リヤド・マフレズが楽々と相手CBマルティン・デミチェリスをかわしてフィニッシュに持ち込んだ見事な速攻も披露した。ジョー・ハートのセーブがなければ大量6得点さえ現実的だった。

レスター出身のリネカーの嬉しそうな表情。

 エティハド・スタジアムでの試合結果を受けて、「奇跡を信じるタイプではないが、今回ばかりは信じる気になってきた」とレスター優勝の可能性に触れたのは、スカイスポーツ解説者のジェイミー・キャラガー。

 熱血漢のDFとして知られたキャラガーは、一筋で通したリバプールでの引退時にも涙を見せなかったドライで現実的な一面を持つ。そのキャラガーにも奇跡があり得ると思わせるだけのインパクトがレスターの勝利にはあった。

 一方、BBCテレビのハイライト番組『マッチ・オブ・ザ・デー』で司会を務めるガリー・リネカーは、マンC対レスターを振り返った直後に「胸が熱くなるな」と一言。地元出身の元エースで、レスターの経営危機を救うべく私財を投じた過去もあるリネカーであれば、クラブ史上初のリーグ優勝へと驀進するチームの姿に心を揺さぶられないはずがない。優勝候補としてのレスターの資格を語るゲスト解説陣の言葉に耳を傾ける表情は純粋に嬉しそうだ。

【次ページ】 11人合わせて移籍金37億円という格安クラブ。

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#クラウディオ・ラニエリ
#レスター

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