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今夏の地方大会注目選手、岡山に“松坂二世”現る。
~創志学園2年・高田萌生は本物か~ 

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小関順二

小関順二Junji Koseki

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photograph byJunji Koseki

posted2015/07/30 10:30

今夏の地方大会注目選手、岡山に“松坂二世”現る。~創志学園2年・高田萌生は本物か~<Number Web> photograph by Junji Koseki

すでに1年時から控え投手としてベンチ入り。早くも2016年ドラフト候補として注目を受ける。

 WBCの連覇、日本人選手のメジャーリーグでの活躍など、野球界の新時代を野茂英雄、イチローとともに切り開いた松坂大輔(ソフトバンク)の記憶が薄れていく中、岡山の高校球界に松坂の記憶を呼び覚ます本格派が出現した。その名は高田萌生(たかた・ほうせい/創志学園2年)。

 松坂がプロで活躍した1999年以降、数多くの“松坂二世”が出現したが、同じ横浜高校出身で沢村賞を受賞している涌井秀章(ロッテ)ですら力感を比較すれば物足りなかった。しかし、高田のストレートには、松坂二世と呼んでも見劣りしない力強さがある。

 岡山大会2回戦、笠岡商対創志学園の試合がスタートしたのは台風11号の襲来が迫った7月16日の正午前。雨天中止を恐れ、心は早く早くと試合の進行を急くが、1回裏にその投球を目の当たりにし、台風襲来のことはしばし忘れた。

 球種は大小2つのスライダーとたまに投げるツーシーム以外はストレートが大半だが、それでも相手打者は打てない。

 この試合で計測した高田のストレートの最速は、ヤクルトスカウト陣のスピードガンで147km。今年1月の練習中には150kmの大台も超えている。

横浜高時代の松坂を見るかのようなフォーム、体格。

 しかし、高田が“松坂二世”の異名を取る最大の要因は投球フォームにある。両腕を内側から絞り上げるような始動、そして真上からの腕の振りと前肩の開きを抑える左半身の壁、さらに178cm、72kgの体格が感動的に横浜高校時代の松坂を彷彿とさせる。

 松坂の怪物時代の記憶が薄まりつつある今だからこそ、高田の投球は松坂の記憶を求めるファンの心に訴える。奇しくも高田が生まれたのは松坂が甲子園デビューを果たした1998年。松坂は現在、故障などでファーム暮らしを余儀なくされているが、高田が松坂と同じ甲子園への道をたどれば松坂に劇的な化学反応を及ぼす可能性がある。それも見てみたい。

 今夏の地方予選は高田だけでなく、大阪大会2回戦で実現した頂上対決、大阪桐蔭対履正社など、心に強く残る試合が多くあった。大阪桐蔭が5対1で凌いだこの試合には大阪大会史上初と言っていい1万3000人以上の観客が押し寄せ、一帯の交通渋滞を引き起こすほどだった。まさに夏の地方大会は今が真っ盛りである。

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