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村田透のメジャー初登板。元巨人ドラ1の“雑草魂”。
~一軍登板ゼロ「上原2世」の逆襲~ 

text by

四竈衛

四竈衛Mamoru Shikama

PROFILE

photograph byYukihito Taguchi

posted2015/07/20 10:30

村田透のメジャー初登板。元巨人ドラ1の“雑草魂”。~一軍登板ゼロ「上原2世」の逆襲~<Number Web> photograph by Yukihito Taguchi

今年30歳を迎えた村田は、150km超の直球を武器に変化球のバリエーションもある投手。

 ようやくたどり着いたマウンドからの景色は、やはり格別だった。インディアンス村田透が6月28日、オリオールズ戦でメジャー初登板を果たした。'11年に渡米して以来、5シーズン目。マイナーで着実に地力を蓄えてきた結果、初めてチャンスが巡ってきた。

「正直、初球を投げる前は感極まるものはありましたけど、そこで感極まっている場合じゃないなと」

 結果は、4回途中まで2本塁打を含む4安打5失点(自責3)。ダブルヘッダーに伴う特別ルールで26人目として昇格したこともあり、当初の予定通り、登板後に再びマイナー行きを通告されたものの、収穫十分の69球だった。

 紆余曲折の野球人生を送ってきた。'08年、大体大から大学・社会人ドラフト1巡目で巨人入りした。大学選手権でMVPを獲得した実績もあり、当時は大学の先輩でもある「上原2世」として期待された。

 ところが、プロ入り後は二軍でも思うような結果は残せなかった。迎えた3年目の'10年オフ。待っていたのは戦力外通告だった。結局、一軍登板の機会はないまま、巨人のユニホームを脱いだ。

3Aで先発ローテに定着し、メジャーが目の前に。

 だが、野球を辞めるつもりはまったくなかった。12球団合同トライアウトを受けた際、インディアンスのスカウトの目に留まった。目指す場所が、東京ドームからメジャーのマウンドに変わった。

 渡米後は、異国での生活に戸惑いも多かった。言葉や習慣が異なる上に通訳もいない。マイナーの過酷な移動など、初めて経験することばかりだった。その一方で、オフにはパナマやベネズエラのウインター・リーグに参加するなど、向上心が途絶えることはなかった。

「苦とは思わないようにしました。人間としても大きくなれるし、これも人生経験と思っていました」

 昨シーズンまでは2Aと3Aを行き来してきたが、今年は3Aの先発ローテーションに定着。メジャーに手の届くところまで近付いていた。

「思っていた以上に平常心でやれました。ただ、力不足。自分の課題も見えました」

 9月の選手枠拡大をはじめ、チーム事情次第で再昇格の可能性も十分。今回味わった感激と手応えは、村田にとって新たなモチベーションとなるに違いない。

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村田透
クリーブランド・インディアンス

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