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30歳でマラソン日本代表に初選出。
今井正人が初代「山の神」を卒業?
 

text by

松原孝臣

松原孝臣Takaomi Matsubara

PROFILE

photograph byNanae Suzuki

posted2015/03/14 10:35

30歳でマラソン日本代表に初選出。今井正人が初代「山の神」を卒業?<Number Web> photograph by Nanae Suzuki

東京マラソンを日本人最上位でゴールし、ガッツポーズする今井正人。箱根駅伝のスターは世界選手権でも輝けるか。

「この場にやっと来られたという思いがあります」

 その言葉には、さまざまな思いが込められているようだった。

 3月11日、今夏に北京で行なわれる陸上・世界選手権のマラソン代表男女各3名が発表された。

 男子代表の1人となった今井正人は、記者会見でこう口にした。初めての世界選手権代表である。

 今井が代表に選出される決め手となったのは、2月22日の東京マラソンだった。

 タイムは2時間7分39秒で、日本選手ではトップの7位。このタイムは日本男子歴代6位となるものであり、日本の選手では3年ぶりの7分台でもあった。

 同レースは今井にとってちょうど10回目のマラソン、30歳で臨んだ大会でもあった。ようやくつかんだとも言える代表だが、かつて大きな脚光を浴びた選手だからこそ、今日まで苦しい時期が続いた。

順天堂大学時代、初代「山の神」として人気に。

 今井は順天堂大学に在学していた頃、箱根駅伝での活躍でクローズアップされた。

 1年生のときはエース区間の2区を走り、区間10位。翌年山上りの5区に起用されると、区間記録を更新する走りで11人抜きを演じた。以降4年生まで連続で5区に起用され、区間賞を獲得した。その活躍から「山の神」という称号とともに語られるようになった。

 今井は大学を卒業すると、2007年にトヨタ自動車九州へ入社。駅伝に出場してそれなりに実績を示しつつ、マラソンにも挑戦の機会を窺っていた。

 初めての出場となったのは、2008年8月の北海道マラソン。この大会では2時間18分34秒、10位という結果だった。

 その後も世界選手権やオリンピックの選考対象レースに出場していたが、2時間10分を切ることができず、代表入りを果たすこともなかった。レースでは、30km過ぎから失速してしまうという問題を抱えていた。

 それでも、マラソンへの挑戦をやめることはなかった。

【次ページ】 マラソンを走る準備が、ようやく整った。

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