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<解任5日後、番記者に明かした本音> ハビエル・アギーレ 「日本サッカー協会の決断は、ある程度予想できたことだった」 

text by

豊福晋

豊福晋Shin Toyofuku

PROFILE

photograph byTsutomu Takasu

posted2015/02/26 11:50

日本サッカー協会会長から受けた契約解除の電話の5日後、
アギーレは最も親しいスペイン人記者と食事を共にした。
2時間にわたる会話の中で明かされた代表監督への情熱、
八百長騒動から解任の顛末、日本に対する印象とは。

 2月8日の夜、マドリードのとあるレストランでハビエル・アギーレと夕食を共にした。

 アギーレにとって、本来は休暇のためのスペイン帰省だった。しかし帰国して間もなく、彼は日本から一本の電話を受けることになる。それは日本サッカー協会会長からの契約解除の知らせだった。

 2月3日に解任が決まった直後、私は彼に電話をかけ、短い時間ではあったがその件については話をしていた。しかし実際に会うのは、東京まで出かけた昨秋以来、約3カ月ぶりのことだ。

 アギーレの表情は明るく、いつものバイタリティに満ちていた。そこにあったのは私が知っている、いつもの冷静な彼の姿だ。夕食は2時間余りに及び、私たちはいろいろなことを話した。

 突然の解任について。UAEに敗れ、失望に終わったアジアカップについて。日本代表チームと代表選手たち。そして日本サッカーについて――。

 道半ばで退くことになったアギーレが発する言葉のひとつひとつは、半年の間、彼が全力を注いだ日本サッカーへの、最後のメッセージのように思えた。

「日本の文化や国民性を考えると、決断はやむを得ない」

「4年間で日本サッカーを変える。それが昨夏に日本代表監督に就任してからの私の目標だった。しかし結果的に、その夢は叶わなかった。

 代表監督としての終わり方は残念なものだったが、契約解除という日本サッカー協会の決断は、私や家族にとって数カ月前からある程度予想できたことだった。だからあの電話を受けた時も、特に驚きはしなかった。不当だという思いもある。しかし日本という国の文化や国民性を考えると、この決断もやむを得ない。

 日本では告発されるという事態が非常に厳しく見られるからだ。告発はほぼ有罪という見方がされる。そこがスペインや欧州との大きな違いだ。日本にはモラルの観点から、それらを非常に厳しく見る文化があるんだ」

【次ページ】 アジア杯敗退後、大仁会長がアギーレにかけた言葉。

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