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キックボクシング熱高まる中国市場の問題と可能性。
~ずさんな進行、地元贔屓も……~ 

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布施鋼治

布施鋼治Koji Fuse

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posted2015/02/18 10:10

キックボクシング熱高まる中国市場の問題と可能性。~ずさんな進行、地元贔屓も……~<Number Web> photograph by Koji Fuse

2014年9月9日、中国の最強少林寺僧と呼ばれている一龍に、判定で勝利した自演乙。

 最近、中国全域でキックボクシングが活況を呈している。中でも注目を集めているのは、かつてのK-1のように海外のトップ選手を揃えた『Kunlun Fight』だ。1月3~4日には南京で16名参加の70kg級トーナメントが開幕。アンディ・サワーも参戦した。

 この大会だけではない。ほかにも『武林風』『英雄伝説』といった大きなイベントが立ち上がり、頻繁に興行を打っている。『武林風』はもともと河南省の地元テレビが番組として制作していた格闘技大会だったが、人気番組となった現在海外も含めて年間60もの興行を打つまでに巨大化した。1月27日には日本の新立ち技格闘技イベント『ファイティンググローブ』が『武林風』との業務提携を発表。4月12日には東京で武林風選抜と日本代表が7vs.7の対抗戦を行なう。

 中国散打の名選手だったオーナーが私財を投じて立ち上げた『英雄伝説』はWBCムエタイと太いパイプを持つプロモーターとして知られ、そのルートを軸に海外からも積極的に選手を招聘してきた。

「盛り上がりは全盛期のK-1東京ドーム大会みたい」

 こうした中国の新興格闘技イベントの共通項はいずれも現地の大手スポンサーを付け、日本より高めのファイトマネーを用意できることだろうか。

 その一方で問題も山積み。中国は露骨な地元贔屓の判定が多い国として知られているが、その傾向は未だに残っているようだ。昨年5月、深センで開催の『英雄伝説』でシュー・イェンと激突した佐藤嘉洋は試合を優勢に進めたにもかかわらず判定は引き分けに。抗議すると72㎏級世界暫定王者に認定されたが、2分30秒しかないラウンド(本来は3分)があるなど試合進行はずさんを極めたという。

 昨年9月、新疆ウイグル自治区で行なわれた『武林風』で一龍から判定勝ちを収めた長島☆自演乙☆雄一郎の証言。

「僕の場合、2度ダウンを奪ったおかげで勝てました。試合後は観客が暴徒化するのを防ぐため、両脇に銃を持った警官に護衛されながらバスに乗り込みました。ただ、盛り上がりはハンパじゃなかった。全盛期のK-1東京ドーム大会みたい」

 今年からは日本以外で活動を続けるK-1グローバルも中国に進出。大手テレビ局を味方につけ、1月から3カ月連続興行を打つ。黄砂が吹き荒れる大地には格闘技の新たな可能性が眠っているのか。

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