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中畑、今中、高橋慶が語るキャンプ論。
“有望株”から化けるための「心得」。 

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田口元義

田口元義Genki Taguchi

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photograph byHideki Sugiyama

posted2015/02/03 10:30

中畑、今中、高橋慶が語るキャンプ論。“有望株”から化けるための「心得」。<Number Web> photograph by Hideki Sugiyama

DeNAの中畑清監督は、会見でのエンターテイナーぶりとは裏腹に、練習には厳しさを見せる。猛練習の効果は、体験した自らが最もわかっているのかもしれない。

 ソフトバンクの今宮健太は、初めてレギュラーに抜擢され126試合に出場した2012年シーズンをこのように振り返っていた。

「いろんな経験を積ませてもらったのはもちろんですけど、自分のなかで一番難しいと思ったのが試合に出続けることでした。特にシーズン後半のほうは何十試合もずっと出させてもらったんですけど、それだけでもめちゃくちゃきつくて。『144試合出ている人って本当にすごいな』と思いました。

 だから次の年からは、1年間プレーできる体力をつけることも意識しながらやっていかないといけないな、とは感じました」

 この教訓を得て、今宮はフィジカル面の強化にも重点を置いてキャンプから精力的にトレーニングに励んだ。その結果、2013年からは不動のレギュラーとしてチームに欠かせない存在となった。

言葉で理解できても実践できない「フィジカル強化」。

 フィジカル面を徹底して鍛え抜く。それがレギュラーとして長くプロ野球の世界で生きていくための絶対条件であることなど、選手ならば誰だって理解していることだろう。特に「期待の若手」と呼ばれている者であれば、それを痛感しているはずだ。

 しかし言葉では理解していても、多くの選手がそれを実践できていないのが現状と言わざるを得ない。

 例えば、巨人の大田泰示や宮國椋丞、中日の高橋周平、DeNAの三嶋一輝、楽天の森雄大と、シーズン前に「今年はやってくれる」と太鼓判を押される若手は、毎年数多く現れる。ところがシーズンが終わってみると、周囲が納得するだけの結果を残せていない。

 開幕時にレギュラーに抜擢される。シーズン序盤は好調を維持できていたが、試合が重なるにつれ成績が下降線をたどり、スタメンから外されてしまう。その原因には個人差があるだろうが、大きな共通点を挙げれば体力の消耗を抑えられないからだ。

 野手であれば、何年もレギュラーを務めた経験のある選手のほとんどが、今宮のように「最初の頃は、夏場以降まともにバットが振れなくなるくらい疲れた」と回想している。つまり、1年間戦い抜くだけの体力を身につけていなければ、レギュラーに定着はかなわないわけだ。

【次ページ】 西岡や今江、角中を育てた高橋慶彦の苦言。

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