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スペイン初のGPファイナル。地元の英雄が凱旋銀メダル。
~フェルナンデス人気はメッシ級?~ 

text by

野口美惠

野口美惠Yoshie Noguchi

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photograph byDaisuke Nakashima

posted2015/01/04 10:30

スペイン初のGPファイナル。地元の英雄が凱旋銀メダル。~フェルナンデス人気はメッシ級?~<Number Web> photograph by Daisuke Nakashima

SPではブライアン・オーサーコーチが現役時代に使用した衣装を身に纏って演技に臨んだ。

 フィギュアスケートのGPファイナルが12月11~14日、スペインのバルセロナで開催された。日本では羽生結弦の連覇が話題となったが、地元での人気は、羽生と共にトロントで練習するスペイン選手ハビエル・フェルナンデスが圧勝。羽生が「ハビエルへのすごい歓声を聞いて、アウェイの気分でした」と苦笑いしたほどだ。

 そもそもスペインではフットボールやテニスが人気競技で、フィギュアスケートは競技そのものが知られていない。世界選手権2大会銅メダルのフェルナンデスは、彗星の如く現れたヒーローだ。

 そこでスペイン五輪委員会は、同国初となる冬季五輪の招致を画策。2026年の招致に向けたキックオフのイベントとして、同国初の氷上競技大会の開催に踏み切ったのがGPファイナルだった。

 それだけに大会組織委の意気込みは半端ではない。会場は東京ドーム4.5個分の広さの国際会議場で、オーストリアから整氷職員を招き、「最高の質の氷を作った」と自負する。250人のスタッフを配備し、五輪シミュレーションとも言える豪華な大会を準備。5500席のチケットは即日完売し、練習見学のみの入場券2000席すら満員御礼となった。

テレビ、地下鉄、バス、新聞……ハビエル一色に。

 大会期間中の4日間、同国のテレビ局は毎日9時間超、計40時間もフィギュアスケートを放送し、地下鉄もバスも新聞も、市内の広告がフェルナンデス一色になった。大会のオスカー・グラウ運営責任者は、「今や(FCバルセロナの)メッシと(テニスの)ナダルの次くらいに有名なアスリートになった」と語る。

 それだけの重圧を背負ったフェルナンデス。ショートの開始前には、ロシア選手が「FCバルセロナのスタジアムにいるのかと思った」という地響きのような歓声がわき起こる。我を見失うと4回転を転倒し、5位発進となった。

 だが、フリーは一転「この歓声は自分への応援なんだ」と心を落ち着かせ、2種類の4回転を成功。銀メダルに輝いた。

「スペイン国民として最高の栄誉。国民皆がテレビや会場で応援し、フィギュアスケートの魅力を知ってくれた。このムーブメントが続き、スペインにもっと通年リンクが出来て欲しい」

 23歳の国民的ヒーローは、いつになく大人びた笑顔を見せた。

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