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ムエタイ戦士の優勝で幕を開けた新たなK-1。
~軽量級トーナメントから復活を~ 

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布施鋼治

布施鋼治Koji Fuse

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photograph bySusumu Nagao

posted2014/11/23 10:30

ムエタイ戦士の優勝で幕を開けた新たなK-1。~軽量級トーナメントから復活を~<Number Web> photograph by Susumu Nagao

10月に父親を亡くしたばかりだったゲーオは、試合後「優勝を父に捧げたい」と語った。

 かつて一時代を築いたK-1が新体制で復活。11月3日、東京国立代々木競技場第二体育館で『K-1 WORLD GP2014~-65kg初代王座決定トーナメント~』を開催した。

 すでにアマチュア大会はK-1の新たな拠点であるGENスポーツパレス(旧スポーツ会館)を中心にスタート。2年ぶりにK-1甲子園も復活させ、今大会ではその決勝戦も行なった。来年は1月18日の-60kg初代王座決定トーナメントを皮切りに4度大会を開催する予定だ。

 再スタートとなった今回の世界トーナメントを制したのは、過去9年間に渡り日本人キックボクサーを相手に11戦無敗というレコードを持つゲーオ・フェアテックス(タイ)だった。勝因は攻防が一体化されたクレバーな闘い方に尽きる。

 そもそも、ゲーオのベスト体重は60kg前後。つまり体格的には大きなハンディがあったが、1回戦では精度の高い左の蹴りでKrush-63kg級王者の山崎秀晃を翻弄し、文句なしの判定勝ちを収めた。続く準決勝では優勝候補の久保優太を相手に攻めあぐむ場面もあったが、打ち合いになると久保のパンチを見切りながら右フックをクリーンヒットさせ、観客席をどよめかせるほどのKO勝ちを飾った。ゲーオにはアマチュアボクシングのタイ代表として活動していた時期もあるので、動体視力がいいのは当然だ。

別組織の「K-1」も存在する中、どう未来を創り出すか。

 もう一方のブロックから勝ち上がってきたのは、前RISEスーパーライト級王者の左右田泰臣。奇しくもゲーオ同様、左右田も打たせずに打つタイプで、中盤にはゲーオのスタミナを奪う場面もあったが、勝負どころを掴むスキルはゲーオの方が一枚も二枚も上だった。チャンスと見たゲーオが上下に攻撃を散らすと、左右田は対応しきれない。2-0というスコアには首を傾げたくなるほどの完勝に映った。ルールと階級は違っても、歴戦のムエタイ戦士はタフで器用だった。

 旧K-1はギャラの未払いなど多くの問題を残したまま消滅した。そのせいか、K-1という名称にアレルギー反応を示す者はいまだに多い。さらに海外にはK-1グローバルという別組織のK-1も存在する中、どれだけ健全で夢と未来を感じさせる新たなK-1を創り出せるのか。全ては新体制でプロデューサーとなった前田憲作氏の手腕にかかっている。

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