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東京五輪から50年。
~当時と現在の記録を徹底比較~ 

text by

小川勝

小川勝Masaru Ogawa

PROFILE

photograph byZenichi Suda

posted2014/11/19 10:00

東京五輪から50年。~当時と現在の記録を徹底比較~<Number Web> photograph by Zenichi Suda

1964年の東京五輪の開会式では、国立競技場の上空に航空自衛隊機によって五輪マークが描かれた。2020年の開会式ではどういう演出が見られるだろうか。

 東京五輪から50年が経過した。1964年10月10日に開幕して10月24日に閉幕したこの大会は、アジアで初の開催というだけでなく、五輪の歴史上、いくつかの点で画期的な大会だった。例えばテレビの衛星中継が初めて行なわれた。また、陸上競技におけるタイムの計測が、手動計時から電動計時に切り替わったのもこの大会からだった。その意味で、現在へとつながる大会だったと言える。この機会に、東京五輪を回顧する意味でも、この大会の金メダリストがどれくらいの記録で優勝していたのか振り返ってみたい。そしてこの50年で、日本記録や世界記録は、そこからどれくらい進歩しているのか、確認してみたいと思う。

 別表は、陸上競技と水泳で、東京五輪の優勝記録と、現在の日本記録、世界記録を比較したものだ。当時も今も行なわれている種目で、ルールや用具の変更も少なく、比較しやすい種目をピックアップしてみた。

東京五輪の優勝記録と現在の日本記録がほぼ同じことも。

 50年も経過したのだから、もちろん記録は進歩している。だが興味深いのは、陸上競技に関して言うと、東京五輪の優勝記録と、現在の日本記録が、ほぼ同じという種目がいくつかあるということだ。

 例えば男子100mは、金メダルのボブ・ヘイズ(米国)が10秒0。この時、すでに電動計時で100分の1秒まで計測されていたが、公式記録は四捨五入して10分の1秒単位で表示されていた。10秒0は当時の世界タイ記録だった。これに対して現在の日本記録は、1998年に伊東浩司が出した10秒00。ちょうど同じタイムになっている。男子800mを見ると、東京五輪で優勝したピーター・スネル(ニュージーランド)のタイムは1分45秒1。日本記録は今年5月に川元奨が1分45秒75を出したばかりで、この種目ではまだわずかに、東京五輪の金メダルタイムに届いていないのである。800mは女子のほうも東京五輪の優勝タイムが2分01秒1、日本記録は2分00秒45とほぼ同じ。中距離種目に関して言えば、日本の陸上界は50年たってようやく東京五輪の優勝レベルに到達したわけだ。

【次ページ】 日本、世界レベルともに進化を果たした競技とは?

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