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箱根予選会で新記録、村山紘太が見せた可能性。
~城西大エース、1区起用はあるか~ 

text by

折山淑美

折山淑美Toshimi Oriyama

PROFILE

photograph byTadashi Shirasawa

posted2014/11/01 10:30

圧倒的な実力を見せた村山だが、チームは9位での通過。最後まで表情はヒヤヒヤだった。

圧倒的な実力を見せた村山だが、チームは9位での通過。最後まで表情はヒヤヒヤだった。

 これまでは外国人選手が飛び出して独走状態を作るのが常だった箱根駅伝予選会。10人の20km走の合計タイムで競うレースは、今年もスタートしてすぐにエノック・オムワンバ(山梨学大)が先頭に立った。だが、5kmを14分30秒のイーブンペースで行こうとする様子を察知した村山紘太(城西大)が「自分としては遅めのペースと感じていた。でも周りを見るときつそうな感じだったので、ここで一気に仕掛ければいけると思った」と飛び出し、10kmまでの5kmを14分14秒で突っ走った。

「アジア大会で日本代表として走った以上、『代表がここで負けてはいけない』と思ったし、他校の選手の日本人1位を狙うという言葉を聞いて、『村山紘太を忘れているんじゃないか』と思いました」

 そう言う彼は、気温が上がったラスト5kmこそ苦しくなったが、15分00秒でカバー。'07年に木原真佐人(中央学大)が出していた58分40秒の日本人最高記録を大幅に更新する58分26秒で走りきった。

本人は2区希望も……有力校の監督も気になる存在。

 9月27日のアジア大会5000mではカタールとバーレーン勢の中でうまく流れを作り、13分34秒57の自己新で5位になっていた村山。卒業後は兄・謙太(駒大)と旭化成に進むが、「ケニア人に敵わないという先入観を持つのがおかしい。短距離の動きも参考にしてラスト勝負でも負けないようになりたい」と、今後もトラックで勝負したいという意識は強い。だが、その前にある箱根へ向けても「今年はスタミナの不安をスピードで補うための練習をしてきて、この半年で自信も持てた。関東インカレからは勝ち方もわかってきた気がします」と強気に話す。

 本戦で彼が希望するのは、兄の謙太や状態をあげてくるはずのオムワンバと勝負できるであろう2区だ。だが櫛部静二監督の思惑の中には、流れに乗るための“1区起用”という気持ちもありそうだ。

 有力校の監督の懸念もそこだ。「今年は前回の大迫傑(早大)クラスはいないから、スローな展開になりそう」と予測する者も多いが、そこを村山に引っかき回されたら変わる。さらに「駒大も先手必勝で謙太を使って兄弟で飛び出して引っ張りあって行かれたら……」との声もあるのだ。ツボにはまったらとんでもない快走もしかねない彼の動向は、箱根最大の注目ポイントになるかもしれない。

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