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好ファイト連続のUFC。意地を見せた日本人たち。
~堀口、金原、菊野らが勝ち名乗り~ 

text by

布施鋼治

布施鋼治Koji Fuse

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photograph bySusumu Nagao

posted2014/10/25 10:30

好ファイト連続のUFC。意地を見せた日本人たち。~堀口、金原、菊野らが勝ち名乗り~<Number Web> photograph by Susumu Nagao

 超満員(1万2395名=主催者発表)の観客の中で格闘技を観る興奮を久々に味わった。『UFC FIGHT NIGHT JAPAN 2014』(9月20日・埼玉)は期待に違わず好ファイトの連続だった。フライ級期待の堀口恭司はジョン・デロス・レイエスを問題にせず、1Rに強烈なパウンドを打ち落としてTKO勝ち。UFCでの戦績を3戦3勝にするとともにランキングを13位まで上げた。このまま勝ち進めば、来年の王座挑戦も決して夢ではない。

 最終的にスプリット・デシジョンで涙を呑んだとはいえ、高度なテクニックでその存在感を十分にアピールした日本の選手もいる。カン・ギョンホを相手に一進一退の攻防を繰り広げ、「ファイト・オブ・ザ・ナイト」(ベストバウト賞)に選出された田中路教(みちのり)だ。

 同じバンタム級には同胞として唯一のランカー(6位)である水垣偉弥(たけや)、8月23日のUFCデビュー戦で秒殺勝利を収めた佐々木憂流迦(うるか)、今大会で難敵アレックス・キャセレスを下して念願のオクタゴンデビューを飾った金原正徳もいる。日本人選手が最も活躍できそうな階級なので、彼らの出世レースも今後は見どころのひとつとなるか。階級をひとつ下げ、フェザー級で勝ち名乗りを受けた菊野克紀の再起も明るい話題のひとつだ。

プロ46戦目の五味、初の女性ファイター中井には試練。

 ショッキングなKO劇もあった。しぶとくライト級戦線で生き残っていた五味隆典がマイルズ・ジュリーの打撃の前にわずか92秒で沈んだ一戦だ。五味にとってはプロ46戦目で訪れた初のKO負け。今後について訊かれると、五味は「ゆっくり考えたい」と明言を避けた。

 一方、アジア圏初のUFC女性ファイターとして注目を集めた中井りんはミーシャ・テイトに大差の判定で敗れた。中井は何度もテークダウンを奪っていたため、判定が告げられるや場内からはブーイングも。打撃には付き合わず、徹底的に組みに行った作戦が逆に「逃げ」と見なされたのだろうか。野球とベースボールのように、総合格闘技とMMAのジャッジの基準は微妙に異なる。

 結局、日本在住の選手は6勝5敗とひとつだけ勝ち越した。トリはマーク・ハントに譲ったが、ホームで意地を見せた格好だ。来年9月開催予定の次回大会までに世界との距離をさらに縮められるか。

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