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オシムが語る新生アギーレジャパン。
「本田、岡崎が常にレギュラーでなく」 

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イビチャ・オシム

イビチャ・オシムIvica Osim

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posted2014/09/19 16:30

オシムが語る新生アギーレジャパン。「本田、岡崎が常にレギュラーでなく」<Number Web> photograph by Sports Graphic Number

「イビチャ・オシムの『オシム問答』」、配信は隔週金曜日の予定です。

元日本代表監督のカリスマがサッカーの現在を深く洞察する
メルマガ「イビチャ・オシムの『オシム問答』」
最新号の中身をちょっとだけ……特別にご紹介いたします!

▼Lesson.87 目次

 【1】 〈今週の「オシム問答」〉
        「アジア杯で本田だけのチームでないことを示す必要がある」

 【2】 〈今週の「オシム問答」〉
        「漫然と試合をこなしていては何の意味もない」

 【3】 〈オシム、日本のワールドカップを語る〉
        「ザッケローニのベースにはコレクティビティがあった」

 【4】 〈オシムの教え〉
        「ドルトムントは香川がいるといないでは、全然違うものになる」

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【2】 〈今週の「オシム問答」〉
        「漫然と試合をこなしていては何の意味もない」
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――日本代表はこれからどうすべきなのでしょうか?

オシム:それはワールドカップ予選を突破することであり、アジアカップでしっかりと戦うことだ。そして優勝を目指すことだ。アジアカップを制覇するのは簡単ではない。アジアの強豪国は決して侮れない。だからこそ継続性が重要だ。

 アギーレが何を考えているか私にはわからないが、リーグの試合を視察して、選手たちをよく観察するだろう。これからの戦いに向けて、誰がよくて誰が良くないかを即座に判断していくだろう。

 私の意見では、これまでのものを継続していくべきだ。というのもこのチームは、持てる力のすべてをまだ発揮してはいないからだ。残念ながら、ある程度は印象づける試合をしたが、すべての試合で力を出し切ったわけではない。恐らく相手に敬意を払いすぎて、自分たちのプレー、やるべきプレーができていない。ワールドカップでもいつもの機動力を発揮できず、不幸なことになった。

 日本はその機動性とアグレッシブさで知られている。それを発揮しなかったら、何かを成し遂げるのはとても難しい。アギーレは恐らくアグレッシブなプレー、モビリティのあるプレーを実践するタイプだろう。現役時代は彼自身がそんなチームでプレーしていた。

本田や岡崎が常にレギュラーでプレーする必要はない。

――日本にとっては彼が監督になったのは……。

オシム:思うに日本は、チームはすでに出来上がっている。あとはひとりふたり若い選手を加えれば、いわゆるベテランたちにも競争の意識が芽生える。本田や岡崎が常にレギュラーでプレーする必要はなく、他にもいい選手がいたら彼らにもプレーの機会を与える。日本が本田だけのチームでないことを示す必要がある。日本代表にはそれだけの価値があること、Jリーグにはそれだけの価値があることを証明する。

 Jリーグには代表でプレーできる優れた選手が数多くいる。だからすべてをよく観察して、交代の選手たち――サブという意味でなく、今いる選手たちと交代可能な選手たちを見いだしていく。ゲームメイカーにしてもそうで、すべてを可能にする選手は誰なのか。また本田や岡崎、長友ら以降のことも、今から考えて準備しておく必要がある。そうした選手を、Jリーグの試合の中から見いだしていく。Jリーグはもっとよく見られてしかるべきだし、もっと高く評価されてしかるべきだ。優れた試合もたくさんある。

 日本代表は大事だが、代表の試合ばかりに注目するべきではない。リーグが優れていれば、誰にとってもすべてが容易になる。代表監督や選手、観衆にとっても、誰がよくて誰が良くないかがはっきりしていれば、またクラブのランクづけがしっかりとしていれば、誰が代表でプレーすべきかが自ずと明らかになる。

 もしもリーグを支配するクラブがあれば、スタメンの半分をそのチームに頼ることもできる。それはコンパクトなチームを構築する保障になる。選手同士がお互いによく理解しあい、息のあったプレーができるからだ。アギーレの日本代表もそんな風になって欲しい。彼ならば優れたチームを作れるだろう。

 そして今の課題は、それぞれの試合をどううまく活用していくかだ。漫然と試合をこなしていては何の意味もない。残念ながらワールドカップではそんな印象を与えてしまった。若さはそれ自体評価できるが、発揮できる力を出し切らかなったのはとても残念だ。それが心を暗くした。自分たちの持てる力を世界に見せることができなかった。ワールドカップはまたとない機会なのだから、そのチャンスを生かさない法はない。

 アジアカップにはアジアの強豪国がすべて参加する。最高のトレーニングは常に優れた試合だ。それに適した国がアジアにはたくさんある。レベルの低い国と試合をしても、悪いイメージを残すだけだ。その後で普通の試合で敗れようものなら、誰もが失望して元の状態に戻るまでには多大な時間がかかる。リアリストになるべきだ。サッカーとはそういうもので、試合を重ねるごとに次第に良くなっていく。

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他にも、ザッケローニの仕事について、代表とクラブの関係性などに触れられます。続きは、メルマガNumber「イビチャ・オシムの『オシム問答』」
ぜひお読みください。


イビチャ・オシムの「オシム問答」
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