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超高校級が不調でも豊作の大会に!
甲子園で輝いた有望株50人総まとめ。  

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小関順二

小関順二Junji Koseki

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photograph byHideki Sugiyama

posted2014/08/29 11:10

超高校級が不調でも豊作の大会に!甲子園で輝いた有望株50人総まとめ。 <Number Web> photograph by Hideki Sugiyama

甲子園に衝撃を与えた健大高崎の4番・脇本直人。豪快なスイングと走れる足を兼ね備える稀有な選手だ。

 近年、高校野球界でも複数の投手を用意することの重要性が叫ばれているが、今年はそういうチームが多かった。初戦では、2~4人の継投で戦ったチームが49校のうち30校もあった。もっとも、継投したチームと1人が投げ切ったチームとの対戦は、継投したチームの3勝11敗と分が悪い。不利な戦いを強いられたから複数の投手をマウンドに上げざるを得なかった、という要素があったことも間違いない。

 しかし、山形中央、東海大相模、東邦、星稜、佐久長聖、龍谷大平安、開星、海星といった学校には力のある投手が複数いて、1人の投手の酷使をさけられる態勢が出来上がっていた。

複数投手制を敷くと、完成度の高い投手は減る。

 複数の投手で先発をシェアすれば高校時点での完成度は低くなり、「今甲子園大会はプロのスカウトが注目する選手(プロ注)が少なかった」という論調の記事が多くなるのは仕方ない。

 しかし「複数の投手を用意して1人の投手の酷使をやめさせろ」と論陣を張る一方、「今年はドラフト候補が少ない」というスカウトのコメントを平気で載せるというのは、マスコミとしていかがなものだろうか。

 複数投手制が今後も進んでいけば、松坂大輔(横浜→現メッツ)や田中将大(駒大苫小牧→現ヤンキース)のような完成度の高い超高校級投手が出現する機会は激減するが、高校生には大学野球、社会人野球、プロ野球という“先”もあるのだから、そこでの開花をめざせばいいと私は思う。マスコミやファンは高校野球に対して成熟を求めすぎているのではないだろうか。

 代表49校が出揃ったあと初戦全てを総括する記事を日刊スポーツに掲載するのが恒例になっていて、通常夏の大会は500字くらいの文章と45~50人くらいの「今大会注目選手」を一覧表で紹介するのだが、今年は一覧表に54人の選手を紹介した。例年より5人くらい多いのは、それだけ今年の出場選手に(プロ注目以外にも)魅力があったからだ。

【次ページ】 投手は、前評判の高かった超高校級が不調だった。

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