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「やっと向上心が英樹に追いついた」
石川遼、2年ぶりの1勝は理想の先に。 

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桂川洋一

桂川洋一Yoichi Katsuragawa

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photograph byKyodo News

posted2014/07/09 10:30

「やっと向上心が英樹に追いついた」石川遼、2年ぶりの1勝は理想の先に。<Number Web> photograph by Kyodo News

小田孔明とのプレーオフを制し、優勝した石川は、世界ランキングが76位に浮上し、全英オープン出場権獲得の可能性も出てきた。石川は記者会見で「全英は諦める状態でここに来た。今の段階では決められない」と語った。

 1カ月前に米ツアーを制した松山英樹の凱旋試合として関心を集めたセガサミーカップ。大会史上最多のギャラリーを動員した4日間の締めくくりは、石川遼の日本ツアー2シーズンぶりの優勝だった。

 小田孔明との3ホールに及ぶハイレベルなプレーオフを制した石川には、勝負への執着心を越えた、これまでにない余裕すら感じられた。

「2週間も試合に出ないと不安でしょうがない」

 事あるごとにそう話していたから、6月下旬に石川遼が帰国して米ツアーを一時休戦すると聞いて、とても驚いた。その間、6週間。プロ転向後、ツアー外競技も含め毎年30以上の試合に出場してきた石川が、トーナメント開催中の主戦場をこれだけ離れるケースは初めてである。

「ゴルフのスケール」を取り戻すための合宿。

 早朝ランニングの直前に腰に激痛が走り、コースのロッカールームで立ち上がれなくなってしまったのが、2年前のこの大会の時のことだった。だが、腰は飛躍的な回復を遂げており、帰国の理由は連戦による体への負担ではない。

 日本に戻ってからというもの、石川は北海道内で3週間以上にも及ぶ強化合宿を敢行。目が覚めると自動車で体育館へと向かい、後輩のゴルファーたちを従えてトレーニングに勤しむ。ゴルフ場で黙々とボールを打ち込み、毎晩の食卓ではそれぞれ選手が日々のラウンドの反省点を口にするのを仕切った。

 優勝を飾った今大会は、プロアマ戦を含めて5日間。しかしそれも石川にとっては、プレーするコースが練習場ではなくトーナメントの開催会場である、という意味しかなかったようだ。

 米ツアーでの実戦の機会を手放し、集中的な合宿に臨んだ理由は何か。石川は「ゴルフのスケールが小さくなっていたから」と端的に説明した。

【次ページ】 「このままではアメリカで勝てない」

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