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U-17代表・高倉監督が語る、初優勝の理由と“20歳の壁”。
~リトルなでしこ、W杯制覇の先に~ 

text by

江橋よしのり

江橋よしのりYoshinori Ebashi

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photograph byHideki Sugiyama

posted2014/05/08 10:00

U-17代表・高倉監督が語る、初優勝の理由と“20歳の壁”。~リトルなでしこ、W杯制覇の先に~<Number Web> photograph by Hideki Sugiyama

自身はW杯に2度出場した高倉監督。現代表は2013年から指揮を執る。

 コスタリカで行なわれたU-17女子W杯、日本代表は6戦全勝で初の栄冠を手にした。登録メンバー21人全員を起用し、得点者は12人にも及んだ。総得点は23、失点はわずか1。U-17日本女子代表“リトルなでしこ”が見せた圧倒的な強さの源は一体何なのか。指揮官・高倉麻子監督の答えは明快だ。

「負けていい試合はないですよね」

 結果が大事なのか、それとも内容か。いわゆる育成年代において指導者が勝敗だけにこだわることは、未来ある選手たちの可能性を奪いかねない。そういった意見は根強くあり、反論もされにくい。

 だが高倉監督は、勝利に執着した。15~17歳の選手たちに、内容も求めるが、その上で「勝つために努力すべきことを、身を以て知る」機会を与えた。

 試合に勝つために、選手それぞれが何をするのか、チームとして何をするのか。それらを理解し、試合でどんな状況でも実行できるようになるため、練習を積み重ねた。

「1秒後に目の前の世界がどう変化しているのか。それを全員が予測して、行動する。これは、大人になったら自然にできるわけではなくて、若いうちから積み上げるものだと思うんです」

組織的な守備でスペインのポゼッションを無効化した。

 試金石となる機会は、いきなり訪れた。初戦の相手スペインに対して「苦戦するかな。それどころか、手も足も出ないかもしれない」と、指揮官の内心はざわめいていた。

 だがリトルなでしこは、相手を見て、考えて、粘り強く対応して、2-0で勝利をものにした。特に、11人全体が連動した組織的な守備が、勝利を引き寄せる要因となった。スペインはボールを保持しつつも、ハーフウェーラインから先にまったくボールを運べない時間が2分以上続く、というシーンも見られたほどだ。

 決勝で再戦すると、スペインは早めからロングボールを多用し、日本の弱点をあぶり出そうとしてきた。しかし、日本の守備陣も集中力を切らさず、互いに連携してゴールを守り抜いた。

 学びながら勝つ。勝ちながら学ぶ。

 そのようにして強くなった好例が、'11~'12年にかけてのなでしこジャパンだ。高倉監督が続ける。

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