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チェルシーとの天王山に敗れても、
国民は「ジェラードの戴冠」を望む! 

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山中忍

山中忍Shinobu Yamanaka

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posted2014/05/04 10:40

チェルシーとの天王山に敗れても、国民は「ジェラードの戴冠」を望む!<Number Web> photograph by AFLO

36節チェルシー戦の前半終了間際に自らのミスで失点し、呆然とするジェラード。

 スティーブン・ジェラードが足を滑らせ、デンバ・バがゴールへと足を進めた。

 4月27日、リバプールがホームで喫した敗戦(0-2)の象徴的シーンを選べば、チェルシーに先制点が生まれた前半ロスタイム中の一場面になる。ジェラードが慌ててバランスを崩した原因は、パスを受けた際のコントロールミス。このハーフタイム間際の失点が、後半、早目のクロスと遠目からのシュートを選択してしまうチームの精神状態を招いたとも考えられる。

 しかし、それがたとえプレミアリーグ天王山対決での致命的な「失敗」であっても、今季のジェラードに対する最高レベルの評価を落とした者などいないだろう。

 大詰めの第36節で実現したリバプール対チェルシーは、中立的立場の国民が「優勝を最も望むチーム」と「優勝を最も嫌うチーム」の対決とメディアで位置付けられていた。

 世論をリバプールになびかせた中心人物は、ジェラードに他ならない。クラブ生え抜きの33歳は、昨季7位のチームでリーグ優勝の喜びを味わうことなく現役を終える運命にあると思われた。まだ20代だった頃、前回のジョゼ・モウリーニョ監督時代のチェルシーから、2度の高年俸オファーを受けても移籍を拒んだ「リバプール一筋」の男は、プレミアにおける「悲劇の主人公」の道を歩んでいると思われた。

「ジェラード戴冠」を望む国民の声。

 ところが、今季は開幕当初から優勝を狙える位置を維持する意外な展開。5位で年を越したリバプールが順位を上げるにつれて、プレミアでの「ジェラード戴冠」を望む国民の気持ちも強まっていった。

「リバプールの象徴」は、実際に全国レベルの支持に値する活躍を見せた。今季のプレミアで、ジェラードよりも「チームの要」という表現が似合う選手はいない。開幕前には「あわよくば」の4位候補でしかなかったリバプールが、終盤戦で優勝候補の筆頭に躍り出た背景には、攻守両面でのジェラードの貢献がある。

【次ページ】 ボランチ転向、二桁得点、そしてリーダーシップ。

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