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新記録続きの攻撃力。
ザルツブルクを見逃すな。
~「オーストリア史上最強」は本物か~ 

text by

豊福晋

豊福晋Shin Toyofuku

PROFILE

photograph byAFLO

posted2014/04/15 10:00

チームの主将も務めるソリアーノは28歳。スペインではU-21まで各年代の代表にも選出。

チームの主将も務めるソリアーノは28歳。スペインではU-21まで各年代の代表にも選出。

 バイエルンの史上最速でのブンデスリーガ優勝は世界で話題となったが、バイエルン州と国境を挟んだ向こう側に、密かに注目を浴びるもうひとつのチームがある。

 バイエルンの2日前にオーストリアリーグ優勝を決めたFCザルツブルクだ。リーグ戦8試合を残しての優勝も、ホーム32試合無敗も新記録。ヨーロッパリーグではベスト16でバーゼルに敗れたが、アヤックスを破っての10連勝のインパクトは強く、元オーストリア代表MFのヘルベルト・プロハスカは「オーストリア史上最強のチーム」と絶賛している。

 最大の魅力はその攻撃力。4月1日時点で98得点を生んだ秘密のひとつがSDのラルフ・ラングニックが定めた『8秒ルール』だ。「ボール奪取から8秒以内にシュートに持ち込まなければならない」という指令の下、チームは高い位置でのボール奪取を徹底。前から激しいプレスをかけ、奪取後はスピーディな攻めを繰り返した。

バルサのカンテラ育ち、ソリアーノが41得点の大爆発。

 ラングニックが連れてきた監督のロジャー・シュミットは「勝つだけでなくいかに勝つかが重要」と語る攻撃的サッカーの信奉者。このふたりの下で開花したのが、今季41得点を決め、現在国内とELで得点王のスペイン人FWジョナタン・ソリアーノだ。ソリアーノはグアルディオラがバルサのトップの監督だった頃、Bチームで得点を量産していたが、厚い壁に阻まれて移籍を強いられた。

 ザルツブルク移籍は「都落ち」とも言われたが、今季の活躍で今ではリーガのクラブから誘いがかかり、代表に推す声もある。オーストリアでも「ソリアーノを帰化させてオーストリア代表に」という動きがあり、2国間で引っ張りだこになっている状態だ。アヤックス戦で決めたハーフウェーラインからのシュートは、今季の欧州カップ戦のベストゴールとも言われている。

 昨秋、ザルツブルクのホームゲームを取材した際に感じたのは、伸びているチームだけが放つことのできる熱だった。モダンなスタジアムは埋まっており、ソリアーノをはじめ選手たちの士気も高い。レッドブルというスポンサーの資金力もあり、クラブ収入は6000万ユーロを超えた。目標とするCLでの躍進が実現するのも、そう遠くないかもしれない。

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