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世界フィギュアの収益は20億円以上!?
5日間で、J1クラブ1年分のお値段に。
text by
並木裕太Yuta Namiki
photograph byAsami Enomoto
posted2014/04/04 10:30
男子では羽生結弦、女子では浅田真央が優勝した世界フィギュア。現在の人気を将来へつなげるために、今が最大のチャンスであることは間違いない。
20億~25億円
(世界フィギュアの5日間でスケート連盟が手にした収益)
3月26日から30日にかけて開催された「世界フィギュアスケート選手権大会2014」(以下、世界フィギュア)は、男子シングルで羽生結弦選手が、女子シングルでは浅田真央選手が優勝。日本のファンを大いに盛り上げて、幕を閉じました。
29日夜の放送(女子フリー)では、浅田選手の得点が発表される瞬間に最高視聴率33.6%(関東地区)を記録。会場となった「さいたまスーパーアリーナ」にも、連日大勢のファンが詰めかけました。
ソチ五輪を終えてもいまだ冷める気配のない、日本のフィギュア人気。今回はその「熱」を、世界フィギュアを舞台に動いたお金の大きさで表現してみたいと思います。
まずはチケット収入について見ていきましょう。今大会の席種・席数・価格をまとめると、別表のようになります。
席種 | 席数 | 価格 | 合計 |
プレミアム | 250 | 23,000 | 5,750,000 |
S席 | 11,000 | 17,000 | 187,000,000 |
A席 | 3,000 | 14,000 | 42,000,000 |
B席 | 1,200 | 11,000 | 13,200,000 |
C席 | 4,700 | 8,000 | 37,600,000 |
D席 | 850 | 3,000 | 2,550,000 |
注目すべきはチケットの単価です。例えばプロ野球のクライマックスシリーズでは、最も高い席でも8000円程度。フィギュアの価格設定は、他のスポーツ興行と比較してかなり高額だと言えます。これが「即完売」の勢いで売れるという事実は、フィギュア人気の高さを雄弁に物語っています。
1日で売り上げるチケット収入は、ざっと2億8000万円。男子ショート、男子フリー、女子ショート、女子フリーに加えペアアイスダンスなどの競技が4日間にわたって行なわれ、さらにエキシビジョンを加えた5日間での合計額は11~12億円に達すると考えられます。
これに加え、公式練習観覧券も販売されています。24、25日のメインリンク(前売り3500円・当日4000円)と、24~28日の練習リンク(前売りのみ3500円)の2種類。練習初日の24日は約1600枚(売上にして約600万円)が完売したとのことですから、大会期間中の練習観覧券だけで1500~3000万円の収入があったと考えられます。大会全体のチケット収入から見ると軽微な額ですが、練習を有料コンテンツとする一つのビジネスモデルとしては注目に値するのではないでしょうか。
以上の計算に、会場の設営状況によって死角となる「見切れ席」や関係者席等を加味して(1割を差し引き)、世界フィギュアのチケット収入は「約10億円」というのが、妥当な数字ではないかと思います。