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練習の“スペイン化”は
カルチョ復活の第一歩か。
~イタリアで脱“無意味な筋トレ”~ 

text by

豊福晋

豊福晋Shin Toyofuku

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photograph byAFLO

posted2011/01/09 08:00

今季ユーベ監督に就任したデルネーリはキエーボ、サンプドリア等で実績を残した戦術家

今季ユーベ監督に就任したデルネーリはキエーボ、サンプドリア等で実績を残した戦術家

 先日、イタリアの地元紙である特集が組まれた。

「サッカー界を席巻するスペインはどんな練習をしているのか?」というものだ。

 イタリア代表はW杯でまさかのグループリーグ敗退。クラブレベルでも低迷は著しく、UEFAランクではドイツに抜かれ、今季のCLではインテル、ミラン、ローマのイタリア勢はいずれもグループリーグを辛うじて突破するという有様だ。

 一方でW杯初優勝を果たし、バルセロナに代表されるようにクラブレベルでも元気なスペインサッカー。「スペインから学ぼう」というわけである。

 両国の練習を比較すると、まず異なるのが練習時間の長さだ。

『ガゼッタ・デロ・スポルト』紙の統計によると、セリエAクラブの1週間の平均練習時間は720分間と、スペインの450分間と比べ非常に長い。

 この差が生まれる最大の理由が、ジムでのトレーニング時間の違いにある。

伊協会はR・バッジョを登用し、技術重視の方向へ。

 イタリアでは練習前後に選手をジムに放り込み、筋力トレーニングをさせる光景をよく目にする。近年では「イタリアでは無意味な筋トレが多い」(カルロ・アンチェロッティ)と賛否両論の、いわば古典的トレーニングだ。

 一方でスペインではジムでのトレーニングはほぼ皆無。技術向上を最優先し、ボールを使ったメニューの中にフィジカル要素を組みこんでいる。スペイン代表の下部組織でシャビ、イニエスタ、トーレスらを育てたユース年代の監督、フアン・サンティステバンは「ジムも戦術練習もいらない」と言い切るほどだ。

 フィジカルトレーニングと戦術練習は、まさにイタリアで重視されてきたことである。ユベントスのルイージ・デルネーリ監督(写真)の練習などはその典型例で、フィジカルを重視し、試合までの1週間で戦術練習をひたすら繰り返すスタイルだ。

 しかし世論ではそんなイタリア的練習法の見直しも叫ばれている。特に若年層強化においてはボールを使う練習を豊富に取り入れることが訴えられており、伊サッカー協会もロベルト・バッジョをテクニカル・ディレクターに登用するなど、技術を重んじる方向へ進みつつある。

 イタリアが取り組む練習の「スペイン化」は、カルチョの低迷に歯止めをかけることができるだろうか。

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