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大晦日イベントの消滅を機に
日本人選手が続々とUFCへ。
~格闘技界に押し寄せる変革の波~ 

text by

布施鋼治

布施鋼治Koji Fuse

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photograph byMichiko Yoshida

posted2013/12/22 08:00

大晦日イベントの消滅を機に日本人選手が続々とUFCへ。~格闘技界に押し寄せる変革の波~<Number Web> photograph by Michiko Yoshida

35歳の川尻は「もう無理だという声もあると思うけどあきらめきれない」と決意を語った。

 大晦日といえば、さいたまスーパーアリーナで格闘技のビッグイベント。2001年以来それが当たり前になっていたが、格闘技の「冬の時代」を象徴するかのように、その流れは12年で終焉を迎えることになった。

 昨年、資金難のDREAMに助け船を出す形で大晦日に「DREAM. 18&GLORY4」を開催したGLORYは、12月21日に有明コロシアムで単独で「GLORY13」を行なった。31日には両国国技館でIGF主催による石井慧vs.藤田和之が行なわれるが、この団体はエンタテインメントとリアルファイトのごった煮であるため、ひとつの時代が過ぎ去った感は否めない。

 しかし、終わりもあれば、始まりもある。1月4日、シンガポールで開催される「UFCファイトナイト34」では川尻達也、菊野克紀、清水俊一、ストラッサー起一と4名の日本人ファイターがオクタゴンデビューを飾る。中でもPRIDEやDREAMで活躍した川尻と菊野に期待をかける者は多い。11月24日、DEEP東京大会で川尻は決意を述べた。

UFC向きの川尻達也がついにオクタゴンへ。

「自分がどれだけの男なのか、オクタゴンの中に入って確認したい」

 典型的なストライカーである川尻はUFC向き。現在UFCで活躍中のジョシュ・トムソンに勝利を収めたキャリアはUFCも以前から注目していたが、すぐに契約が合意に達することはなかった。UFCの契約スタイルは、原則として独占。一度契約書にサインをしたら、他団体のリングに上がることは許されない。それが川尻が特別視する、年に一度の大晦日のビッグイベントであったとしてもだ。だが、それが消滅した現在、彼のUFC行きを阻むものは何もなくなった。

 川尻がアメリカのショーン・ソリアーノと闘うシンガポール大会以降、UFCはアジア地区で大会を定期開催する方針を打ち出している。すでに3月にはマカオでの開催が決まった。この大会でも日本人選手の大量投入が検討されているというだけに、いまや世界最高峰のMMA大会となったUFCでの闘いを目指すニューカマーにとっては大きなチャンスになるだろう。晴れの舞台はさいたまからアジアへ。年末の風物詩もなくなった現在、日本格闘技界は大きな変革期を迎えようとしている。

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