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なるか強竜復活――。
中日「二頭体制」の可能性。
~落合GMが谷繁監督に託す重責~ 

text by

永谷脩

永谷脩Osamu Nagatani

PROFILE

photograph byKYODO

posted2013/11/12 06:01

「いい選手を使っていく」と年齢・実績にこだわらない実力主義を打ち出した谷繁新監督。

「いい選手を使っていく」と年齢・実績にこだわらない実力主義を打ち出した谷繁新監督。

 落合博満の監督時代から、「試合に入ったらお前が監督のつもりでやってくれ」と言われ、その通りに頑張り続けた8年間。落合の目に、谷繁元信は「立派に役目を果たした男」と映っているだろう。8年間で4度のリーグ優勝は、谷繁の働きなくしては考えられないことだった。だから、9月の白井文吾オーナーとの会食の席で、「谷繁の兼任監督はどうか」と聞かれた時、二つ返事で「素晴らしい案」と賛成したのだ。

 谷繁は人当たりの良さ、誰に対しても誠実に対応する人間の大きさを感じさせる一方、結果ばかりを気にして四球で自滅した若い中継ぎを試合中にベンチで怒鳴りつけるような情熱も、持ち合わせている。その意味で、非常にバランス感覚のある監督になれる可能性がある。

落合は「現場には介入しない」が、サポートは万全。

 重要になってくるのが“ポスト谷繁捕手”の存在だ。以前、谷繁に「山本昌の時には少し休めるね」と聞いたことがあった。山本の登板日には、2番手で相性の良い小田幸平捕手が起用されることが多かったからだ。その時、谷繁が目を吊り上げながら反論してきたことを思い出す。「僕は自分から休むと言ったことはない。試合に出られないほど悔しいことはないんです」とムキになっていた。その性格を考えた場合、どれだけ試合を休む“我慢”ができるかが気になるところだ。確かにリード一つにしても、谷繁以上のリードができる捕手はいない。しかし、かつて野村克也や古田敦也ら捕手出身の兼任監督は、自分が試合に出ている時には、チーム全体を見ることがなかなかできなかった。その意味でも、後継捕手の育成は急務となってくる。

 もっとも、谷繁にとって落合新GMによるサポートは心強いだろう。「現場には介入しない。監督のやりたいようにやればいい」と言って、全幅の信頼を置いていた森繁和をヘッドコーチに据え、谷繁が手腕を発揮しやすいよう、バッテリーコーチに元名捕手の達川光男を招聘したところを見ても、バックアップ体制は整っている。あとは谷繁が心を鬼にし、強いリーダーシップを発揮するだけだ。

 就任早々、「そんなに弱いチームではない」と、自チームの戦力について語った谷繁新監督。金をかけずとも、現有戦力で十分に戦えるという。まずはお手並み拝見だ。

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