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<スペシャリストに聞く「食」> レース前、カーボローディングは必要か? ~金哲彦×鏑木毅×関根豊子~ 

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前田成彦(Office221)

前田成彦(Office221)Naruhiko Maeda

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posted2013/10/18 06:00

<スペシャリストに聞く「食」> レース前、カーボローディングは必要か? ~金哲彦×鏑木毅×関根豊子~<Number Web> photograph by Miki Fukano

糖質ではなく体脂肪を優先的に使える体作りとは。

   鏑木くんは今、糖質ではなく体脂肪をメインに使う体を作っていると聞きました。

鏑木   そうなんです。トレイルランの100マイルレースは、フルマラソンの4倍近い距離を20時間以上かけて走ります。だから、体内に蓄えられる量に限界があり、どれだけ蓄えても数時間で枯渇してしまう糖質はあてにならない。体に蓄えた体脂肪をエネルギーとして優先的に使える体にする方がいいんです。

関根   すごいお話ですよ、それ(笑)。

鏑木   僕はレース前に追い込んだ練習すると体脂肪率は5~7%まで落ちるのですが、それでも計算上は体内に3~4kgの体脂肪がある。脂質は1kg=7000キロカロリーのエネルギーを生むので、2~3万キロカロリーを体内に蓄えていることになり、理論上は余裕で100マイル走れる。いまトレーニングの8割は、体を体脂肪を使えるようシフトさせるのが目的と言ってもいいかもしれません。

   フルマラソンを走る時、1日の消費エネルギーは通常の約2000キロカロリーの他に約3000キロカロリー、つまり合計約5000キロカロリーです。普通の人は食事をそこまで摂れないので、補うためにカーボローディングをするわけですが、体脂肪を優先して使える体になれば必要ないですね。

カーボローディングより霜降り肉の方が性に合う!?

鏑木   僕は100マイル走る時でも、お腹いっぱいご飯を食べません。炭水化物はせいぜいご飯1杯。レース前に限らずご飯は少なくしておかずを多く食べ、血糖値が急激に上がらないような食生活を心がけています。

 逆に、脂肪蓄積、つまり“ファットローディング”をやってます(笑)。レース3日前ぐらいからコーヒー用のクリームをヨーグルトにたらしたりサラダにかけたり。

関根   ……。

鏑木   慣れるとそうまずくないですよ(笑)。アメリカのトップクラスのトレイルランナーはけっこうやってますよ。以前アメリカのコーチに「カーボローディングなんて意味ない。霜降り肉を食べた方がいいぞ」と笑われました。でも確かに、実践してみるとその方が自分に合っていました。

糖質と脂肪、それぞれを使って走る感覚の違い。生理学的にも解明できない
人類の潜在能力に、鏑木はトレイルランの中で気づくことがあったという。
今では多くのランナーが意識する食事法だが、それ以上に大事なものとは?
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