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通算500勝・浜中俊が
勝ち続けられる理由。
~“強気”と“古風”でNo.1騎手へ~ 

text by

片山良三

片山良三Ryozo Katayama

PROFILE

photograph byYuji Takahashi

posted2013/08/10 08:00

通算500勝・浜中俊が勝ち続けられる理由。~“強気”と“古風”でNo.1騎手へ~<Number Web> photograph by Yuji Takahashi

獲得GIタイトルはまだ2つ。リーディングジョッキーに輝いた昨年はGI未勝利だった。

 浜中俊騎手(24歳、栗東・フリー)が、7月20日の中京競馬第2レースでトウカイバイタルに騎乗して1着、通算500勝に到達した。デビューから6年4カ月での達成は、武豊、加賀武見という競馬史に残る名騎手に続く史上3番目のスピード記録。ルーキーイヤーは20勝止まりで、新人賞にも手が届かなかったことを思えば、その後の伸びはまさに驚異的と言っていい。

 この騎手の長所をひと言で表現するなら、それは強気に裏打ちされたポジショニング。勝ちあぐねた1年目から、一気に上げ潮に乗って73勝をマークした2年目に「どこが変わったのか」とストレートに質問をぶつけた折り、「スタートが決まるようになったのが一番。それによって思った位置につけられるようになった」と答えたことが印象に残っている。

 好位置をズケズケと主張する新人らしからぬ騎乗は、当然のこととして先輩騎手の小言の標的となったわけだが、そんなことで遠慮してしまう浜中ではない。その強引にも見える騎乗スタイルは、同業者も戸惑うスピードで厩舎関係者やオーナー筋の支持を集めたのだ。

オールドファッションを貫き、昨年は24歳で全国リーディング奪取。

 そして昨年は、シーズン前は誰も想像していなかった全国リーディング奪取。24歳でのトップは、武豊の20歳、福永洋一の22歳に次ぐ、非常に価値のある3番目の年少記録ともなった。もちろん低レベルの争いだったわけではない。浜中が年間100勝の壁を超えたのは初めてだったが、その数字を131勝まで伸ばして、蛯名正義、岩田康誠らとのデッドヒートに決着をつけたのだ。

 思えば武豊の新人時代も、そのウリはポジショニングの巧みさだった。4コーナーで勝負ありの形を作って、ライバルを諦めさせるのが得意の形。その本家がスタイルを変えたことで、その立ち位置に浜中がスッポリはまったようにも思えるわけだが、言うまでもなく誰にでも真似ができることではない。

 馬を追うスタイルはオーソドックス。蛯名や岩田、川田将雅、川須栄彦といったところが実行している、お尻をペタペタついているようにも見える追い方(馬のキコウの後ろにツボがあり、そこを膝で押すのが有効という考え方)が幅をきかせつつあるが、浜中は流されない。オールドファッションで長期政権を狙う。

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