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原点回帰で5年目の“ドラ1”が花開く!
DeNA・松本啓二朗の謙虚な逆襲。 

text by

田口元義

田口元義Genki Taguchi

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photograph byHideki Sugiyama

posted2013/06/24 11:35

原点回帰で5年目の“ドラ1”が花開く!DeNA・松本啓二朗の謙虚な逆襲。<Number Web> photograph by Hideki Sugiyama

父の松本吉啓も明治大学で投手として活躍した。「啓二朗」だった登録名を本名に戻した今季、レギュラーとして飛躍できるか。

「レギュラーを大前提として目標を掲げなければならないんですけど、やっぱり段階があるので。まずは、一軍で与えられた仕事をしっかりとこなすこと。代打と守備、走塁もそうですけど、便利屋というかスーパーサブとして、全てにおいて少しずつでもチームに貢献していきたいです」

 春季キャンプ。プロ入り5年目となるDeNAの松本啓二朗は、そう控えめにシーズンでの抱負を語っていた。

 そんな彼が、今、スーパーサブどころかレギュラーの座をものにしようとしている。

荒波翔のケガでチャンスを掴むも、謙虚さは忘れず。

 4月17日の広島戦で、荒波翔が右頬骨陥没骨折により戦線を離脱したことでチャンスが巡ってくると、28日の阪神戦で早くも今季第1号本塁打。翌日のヤクルト戦でも2戦連発でアピールするなど、荒波の穴を埋めるどころかDeNAの一軍に不可欠な戦力となった。

 それでも、松本はより気を引き締め、自らを奮い立たせるようにこう話す。

「自分は今でも、どんな場面でも『いけ』と言われればすぐに試合に入っていけるように準備していくことが大事だと思っています。バッティングでも守備でも走塁でも、全力を尽くす。それだけを考えてやっています」

 シーズン前は自重するようにスーパーサブを目指すと言い、スタメンとして出場する現在でも「与えられた役割をしっかりとこなすだけ」と、あくまでも謙虚に振る舞う。

 それには、松本なりの理由があるからだ。

高校時代はダルビッシュに投げ勝ち、大学では打者として大活躍。

 スーパーサブを宣言したキャンプでのこと。前年までのプロ4年間の忸怩たる想いも打ち明けてくれていた。

「プロになって『期待に応えよう』と思い続けてやってきましたけど全然ダメで。大学まではそういう意識で野球をやってきて、少なからず結果を残せたとは思っていますけど、それができていないのはプロが初めてなんです」

 松本のアマチュアにおける経歴は、華やか以外の何ものでもない。

 千葉経大付ではエースで4番として、'04年夏に同校を初の甲子園に導いた。3回戦では優勝候補の大本命と言われた東北と対戦し、高校ナンバーワン投手のダルビッシュ有との投げ合いを制しベスト4まで勝ち進んだ。

 本格的に野手に転向した早稲田大でも、十分な実績を残した。

 東京六大学において一流打者の証ともいえる通算100安打を超える105安打を達成。4年秋には首位打者に輝き、大学4年間の8シーズン中5回もベストナインに選出された。

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