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日本一足の速い高校生、
陸上世界最高峰リーグへ挑む。
~6・30、桐生祥秀の走りに注目~ 

text by

及川彩子

及川彩子Ayako Oikawa

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photograph byTsutomu Kishimoto

posted2013/06/27 06:00

日本一足の速い高校生、陸上世界最高峰リーグへ挑む。~6・30、桐生祥秀の走りに注目~<Number Web> photograph by Tsutomu Kishimoto

桐生は先月、ゴールデンGPで外国人と初対戦するも10秒40で3位。

 4月29日の織田記念陸上で10秒01の日本歴代2位を出した桐生祥秀(洛南高校)が陸上、世界最高峰のダイヤモンドリーグ(以下、DL)のバーミンガム戦から招待を受けた。'10年に新設された同リーグは、毎年5月から9月まで世界11カ国、14都市で行なわれ、各種目の総合優勝者には賞金とトロフィーが授与される。陸上選手にとって、世界各都市を転戦するDL出場は大きな憧れだ。

世界陸上を前にトップ選手たちの走りを体感できる貴重な機会。

 今季もハイレベルなレースが展開されている。第3戦ニューヨークでは、今季世界最高の9秒86を出しているタイソン・ゲイ(米国)が圧巻の勝利。第5戦ローマの100mではウサイン・ボルト(ジャマイカ)がジャスティン・ガトリン(米国)に敗れたが、そのガトリンも6月9日にモロッコで行なわれた大会で、白人選手初の9秒台を出したクリストフ・ルメートル(フランス)に敗北を喫するなど、激しいトップ争いが繰り広げられている。ケガで出遅れていた感のあったボルトも、第6戦オスロの200mで今季世界最高の19秒79と復調を予感させる走りで、8月のモスクワ世界陸上の最有力候補に名乗りを上げた。

 今回、桐生が招待されたのは、6月30日に英国バーミンガムで行なわれる第7戦の100m。モスクワ世界陸上を前に世界トップ選手の走りを体感できるいい機会になる。

「伸び盛りで、とても楽しみな若手選手。世界や英国のトップ選手を相手にいい走りをしてほしい」と主催者側は大きな期待を寄せる。

 過去にも日本人選手はDLの試合に出場しているが、招待による出場はおそらく初めて。

ボルト、ゲイ……世界の陸上界でも広く知られている「キリュウ」。

 日本のスーパー高校生、桐生の名はすでに世界の陸上界でも広く知られている。10秒01というタイムに加えて、スプリント技術の高さに関係者や選手は舌を巻く。

 ボルトは、10年に一人の逸材と褒め称え、世界中からいい選手が出てくるのは陸上にとってすばらしいことと話す。ゲイも「記録を聞いた時はピンと来なかったけれど、レースの動画をみて驚いた。17歳とは思えないね。ケガをせず、順調に伸びてほしい」とコメント。シドニー五輪100m銀メダルで現在解説者のアト・ボルドン(トリニダード・トバゴ)は、「ジュニア選手は記録と技術が伴わないことが多いが、桐生の技術は素晴らしい。17歳という年齢にばかり焦点が当てられているが、スタートから加速部分の技術はシニア選手にもひけをとらない」と絶賛する。そして「DLやモスクワ世界陸上での経験は今後の選手人生に大きな財産になる。海外に出ることを恐れず、どんどん挑戦してほしい」とエールを送る。

【次ページ】 アフリカ系以外のスプリンターとして関係者も期待。

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