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勝利したスペイン戦で見えた
ユース世代の弱点。
~サッカーU-19日本代表レポート~ 

text by

横井伸幸

横井伸幸Nobuyuki Yokoi

PROFILE

photograph byShinji Akagi

posted2010/09/09 06:00

攻撃の中心を担ったバレンシアのイスコ。本来の主力ムニアイン(ビルバオ)らは来日せず

攻撃の中心を担ったバレンシアのイスコ。本来の主力ムニアイン(ビルバオ)らは来日せず

 8月21日から24日、静岡県内3つのスタジアムで毎年恒例のSBSカップ国際ユースサッカーが開催された。

 初日、U-19日本代表は今年の目玉であるU-19スペイン代表(昨年のU-17W杯4強チームがベース)と対戦。放ったシュート3本のうち2本を決めたFW永井龍の得点力と、先のW杯でフル代表が世界にアピールした“規律”をもって、2-0で勝利している。途中、スペインに押される時間帯もあったが、素早い守備ブロック形成と、複数人が連動するプレッシングできっちり対応していた。10月、中国で行なわれるU-20W杯予選(AFC・U-19選手権)に向けて、布啓一郎監督も好感触を得たことだろう。

 ただし、この一戦で「日本は強い」という印象は得られなかった。というのも、キックオフ36時間前に静岡入りしたコンディション最悪のスペインの方が、基本的なプレーの質は圧倒的に高かったからだ。実際、試合後のミックスゾーンでは、日本の選手から「実力の違いを感じた」という声が漏れ聞こえてきた。

 たとえば、日本の場合フル代表でさえ苦手としているサイドチェンジを、スペインは滑らかに行なう。サイドから攻めようという選手はしっかりライン際にポジションを取り、視野は中に向けられている。また、どの選手にも一番正確なインサイドキックで遠くまで蹴る技術があり、パスのスピードも日本より断然速い。

 どれもちょっとしたアドバイスと反復練習で身につくものばかり。それがこの年代で大きく差を付けられていた。

スペインに見習いたい世代別代表とフル代表の関係。

 もうひとつスペインを見習いたいのは、世代別代表とフル代表の関係だ。この夏U-19代表監督に就任したばかりのジュレン・ロペテギは、目指すスタイルを問われ、「フル代表と同じ、ショートパスをワンタッチで繋ぐもの」と明言した。世代別代表はすべからくフル代表への戦力供給源であるべし。そんな考えがスペインにはあるのだ。やがてステップアップしていく選手にとっても理想的だ。

 しかし、こちらは今の日本には望むべくもない話。W杯前後で大きくぶれたように、そもそもフル代表のスタイルが定まっていない。

 日本はまず目指す形を見つけること。そしていつの日か、若い世代からフル代表まで、同じスタイルで戦ってほしい。

■関連リンク► スペイン・サッカーは日本の手本となるか? (言わせろ!ナンバー 結果レポート)
► U-17代表に感じた日本サッカーの光明。~ワンタッチ信仰からの解放~ (コラム 09/06/09)

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