SCORE CARDBACK NUMBER

GLORY65kg級で
見せた日本人の底力。
~久保優太、立ち技世界王者に~ 

text by

布施鋼治

布施鋼治Koji Fuse

PROFILE

photograph bySusumu Nagao

posted2013/06/02 08:00

GLORY65kg級で見せた日本人の底力。~久保優太、立ち技世界王者に~<Number Web> photograph by Susumu Nagao

3ラウンドに左フックで野杁からダウンを奪った久保が、判定勝ちで見事優勝を果たした。

 K-1に代わる立ち技格闘技のビッグイベントとして注目を集めるGLORYが、5月3日東京・有明コロシアムで65kg級SLAMを開催。決勝で野杁正明からダウンを奪った末に判定勝ちを収めた久保優太が優勝賞金10万ドル(約1000万円)を獲得した。

 特筆すべきは、この大会が158の国や地域にある205ものチャンネルで放送されたこと。あるデータによれば、視聴可能な人数は8億人を越したという。

 世界規模のトーナメントで初めて日本人同士の決勝が実現したことも大きい。かつて日本人キックボクサーが主流を占めていた70kg級も、最近はヨーロッパ系が中心。その証拠にGLORYが発表する70kg級公式ランキングの10位以内に日本人の名前は見当たらない。

 対照的に65kg級は日本人の独壇場だった。久保は1回戦でダークホースの呼び声が高かったイム・チビンをスピードで翻弄し、最後はボディへのヒザ蹴りでKO勝ち。続く準決勝ではカナダからやってきた“未知の強豪”ガブリエル・バルガを破ってファイナルへと駒を進めた。

決勝の日本人対決では、2年前の雪辱に燃える野杁正明を再び撃破。

 一方の野杁は1回戦で“日本人キラー”リアム・ハリソンをTKOで撃破。その勢いで準決勝では優勝候補のモサブ・アムラーニにも競り勝った。欧州圏での人気が高いGLORYとしては同圏を主戦場とするハリソンやアムラーニの活躍に期待している様子だったが、野杁にとって主催者側の思惑など関係なかった。

 決勝は2年前に行なわれたK-1・63kg級日本トーナメントの再戦。その時は久保がキャリアの差を活かして勝利を収めている。果たして野杁は雪辱に燃えたが、1ラウンド終了前後にローブローをもらって大幅に戦力ダウン。長いインターバルのあと試合を再開したが、もう久保を追い込む余力は残っていなかった。緒戦のハリソン戦でもローブローを受けていたことも大きく響いたか。

 とはいえ、久保のバックキックが野杁の股間を直撃したのは明らかなアクシデント。久保がGLORYの世界王者になったことに異論を挟む余地はないだろう。今後、久保は70kg級に転向する話もあるが、“ムエタイの神”センチャイなど65kg級に止まっても好敵手には事欠かない。日本のキックボクシングはこのクラスを中心に回っていくのか。

関連コラム

関連キーワード
久保優太
リアム・ハリソン
野杁正明
イム・チビン

ページトップ