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リング外に飛び出した
パンクラスのメディア戦略。
~映画、雑誌……積極的に発信~ 

text by

布施鋼治

布施鋼治Koji Fuse

PROFILE

photograph byDream Packers

posted2013/05/05 08:00

フリーマガジンでは参戦する選手を追いかけ、総合格闘技の魅力を伝える(写真の表紙は仮)。

フリーマガジンでは参戦する選手を追いかけ、総合格闘技の魅力を伝える(写真の表紙は仮)。

 もう黙ってはいられない。MMA(総合格闘技)の老舗パンクラスが、大規模なメディア戦略に打って出た。「MMAドキュメンタリー HYBRID」を共通タイトルに、劇場公開映画、オフィシャルマガジン、写真集を順次世に送り出していくという。

 3月27日、都内のホテルで行なわれた会見で酒井正和代表の鼻息は荒かった。「総合格闘技は過酷なスポーツ。ゆるいといわれる世の中で、なぜ選手たちは厳しいリングに上がるのか。その生きざまを一般の方々にも見てもらいたい」

 かつて興隆を極めたPRIDEやK-1が地上波から消えて久しい。それとともに、格闘技というジャンルは一般メディアへの露出が極端に減ってしまった。それだけではない。国内の格闘技専門誌も、いまやUFCをはじめとする海外モノの報道が中心になりつつある。

「このままだと、ウチの露出は減る一方ではないか」という危機感を抱いた酒井代表が思いついたのは自らメディアを作り、世に送り出すという方法だった。

 6月1日公開の映画のメガホンをとる松永大司監督は、テレビの試合中継との違いを強調した。「選手たちの息遣いが聞こえるような生身の闘いを見せたい」

業界屈指のアイディアマン・酒井代表は次の戦略も練っている!

 一方、5月中旬からフリーペーパーの形態で配布するマガジンの方は試合会場だけではなく、スポンサーである飲食店チェーンなどにも置いてもらい、幅広い層に読んでもらうのが狙いだ。

 同誌の発行人で、昨年からボクシングのフリーペーパーを定期発行するDream Packersの赤井祥彦代表は「既存の専門誌とは違った視点でMMAを伝えたい」と意気込みを語った。同時に写真集も作品をセレクト中とのこと。

 もともと酒井代表は業界屈指のアイディアマン。昨年6月に代表に就任した時には「世界標準」をスローガンにパンクラスUSAを設立したり、海外の有力ジムと次々に提携関係を結んだ。その行動力は徐々に実を結び、最近はパンクラスの選手が海外で試合をしたり、練習する機会が多くなった。その一方で海外から定期的に選手を招聘できるようになり、パンクラスはにわかに活気づいている。

 ほかにも戦略があるのかと訊くと、酒井代表は不敵に笑った。「たくさんあります。次の戦略もお楽しみに」

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