SCORE CARDBACK NUMBER

聖澤諒が落選の悔しさを
乗り越えてつかんだもの。
~代表合宿の収穫を楽天で生かす~ 

text by

永谷脩

永谷脩Osamu Nagatani

PROFILE

photograph byKYODO

posted2013/03/27 06:00

聖澤諒が落選の悔しさを乗り越えてつかんだもの。~代表合宿の収穫を楽天で生かす~<Number Web> photograph by KYODO

「(立浪打撃コーチに)教えてもらったことをどんどん試していくつもりです」と語る聖澤。

 アメリカでWBCの決勝ラウンドを戦った代表選手は28人。このほかに候補に選ばれるも、最終メンバーに届かなかった選手たちが5人いる。楽天・聖澤諒もその一人だった。最終メンバー発表前々夜に行なわれた焼き肉店での“33人の決起集会”では、雰囲気を盛り上げたくても、なかなか気持ちが乗らなかったという。

「あのメンバーのなかに入ってみると、自分はまだまだ力不足だったと思う。いい勉強になりました」

 日本代表合宿を去るとき、聖澤はこういったが、それは本心ではないだろう。合宿中の紅白戦でも2本の安打を放っていたし、持ち前の走力も十分にアピールできた。悔しい結果となったが、1週間の代表合宿で学んだことも多かった。

 打撃コーチの立浪和義からかけられた“塁に出られなければ、足は生かせない”という言葉が、聖澤の胸に残っている。最後まで枠を争った相手はロッテの角中勝也。角中は昨シーズン、149本のヒットで首位打者になった。盗塁王を獲った聖澤の安打数は141。8本の差だった。聖澤はこう語る。

「自分が塁に出ることで牽制できれば、得点力はアップするはず」

「チームに戻ってきたときに、嶋(基宏)さんたちが、“俺たちの年俸は球団が払ってくれているんだから、チームの役に立つ仕事が出来ればいい”と言ってくれて気持ちが楽になりました。(代表合宿を経験して)昨年以上に1打席1打席を大切にしてバッターボックスに立つようになったと思います」

 目標をチームの勝利へと切り替えた聖澤は2月23日、復帰初戦となったオープン戦の第1打席でヤクルト館山昌平からヒットを放った。星野仙一監督の契約最終年となる今季、メジャーからジョーンズや斎藤隆を獲得するなど、大型補強を行なった楽天。チームに課せられたノルマは、Aクラス確保だ。そのためには1番・センター聖澤の活躍が不可欠となる。

「自分が塁に出ることで、たとえ走らなくても相手ピッチャーを牽制して、ジョーンズやマギーが返してくれれば、得点力は確実にアップするはずです」

 立浪の教えを胸に、自らの盗塁の数を重ねるよりも、一つでも多く出塁することにこだわる。チームの勝利に向け、そして次の日本代表に向けて、聖澤は前向きに歩み始めている。

関連コラム

関連キーワード
聖澤諒
東北楽天ゴールデンイーグルス
立浪和義

ページトップ