Sports Graphic NumberBACK NUMBER

<HONDA Method> ソルティーロが本田圭佑を超える日 連載第2回 「元レアル選手の率直な一言」 

text by

榎森亮太

榎森亮太Ryota Emori

PROFILE

photograph byShigeki Yamamoto

posted2013/03/06 06:01

<HONDA Method> ソルティーロが本田圭佑を超える日 連載第2回 「元レアル選手の率直な一言」<Number Web> photograph by Shigeki Yamamoto
昨年5月に開校した本田圭佑プロデュースの「ソルティーロ ファミリア サッカースクール」。今回は元R・マドリーの選手を迎えて行なわれたクリニックの模様をレポートする。

「スペインで70人の子を集めたら60人がグッドプレーヤーだ。でも今回のクリニックでグッドプレーヤーと言えるのは2、3人しかいない」

 2月3日、元レアル・マドリーのナチョことイグナシオを招いて開催した1DAYスクールで彼が漏らした感想は、僕の胸にグサリと突き刺さりました。

 ナチョはレアルのカンテラで育ち、トップチームでもラウールなどとプレーした選手で、現在はスペインで最高の指導者資格を持っています。所属事務所のユーロプラスを通じて連絡をとり、J-GREEN堺で午前、午後の部それぞれ70人以上の小学生を指導してもらいました。

 彼のコーチングを目の当たりにして感じたのは、情熱とメリハリ。レアルのカンテラと同様のメニューを組んでもらったのですが、練習の内容自体は目新しいというわけではありません。ただ、1回90分間の練習をいかに集中して100%でプレーするかという点の伝え方が凄かった。

グラウンドを広く使う意識が身につきにくい日本の環境。

“本物”に触れて子供たちの顔が輝いていくのが印象的でした。さらに彼が強調していたのは「両足を使うこととピッチを広く使うこと」。

Ryota Emori
1985年生まれ。奥寺スポーツアカデミーに在学中、上海申花U-19に留学。卒業後、長野エルザ(現・長野パルセイロ)に加入。ドイツに渡り下部リーグでプレーしていた時に本田圭佑と出会う。その後、専属マネージャーを経て「ソルティーロ」事業責任者に就任。

 うちのスクール生はボール扱いはまあまあ巧い。でもナチョに言わせれば「“サッカー”ができていない」と。それが冒頭の言葉につながるわけです。スクール責任者としては、彼の率直な意見に感謝すると同時に、悔しさが込み上げてきました。

 スペインと日本をこんなに隔てているものは何なのか? 彼の答えはシンプルです。

「エモ、それは環境だよ」

 日本には広い芝生のグラウンドが少ない。現に僕たちのスクールも普段はフットサルコートを借りて練習しています。だから足技は磨かれるかもしれないけど、グラウンドを広く使う意識やポジショニング、パスかドリブルかの判断力が身に付かないのだと。そういえば、先日、本田が石垣島で1DAYスクールを開いたときも同じことを言っていました。

「エモ、石垣島の子たちは、良い指導を受ける機会が増えれば絶対に伸びるよ。あれだけ広い天然芝のグラウンドで練習ができるんだから」

【次ページ】 “異端”がプロデュースするサッカースクール。

1 2 NEXT
1/2ページ
関連キーワード
本田圭佑
イグナシオ・ラモス・ヒメネス

ページトップ