SCORE CARDBACK NUMBER

「何のために米国に来たのか」
松坂大輔、リベンジ再び。
~インディアンスでも貫く信念~ 

text by

四竈衛

四竈衛Mamoru Shikama

PROFILE

photograph byYukihito Taguchi

posted2013/02/25 06:00

メジャー昇格した際の年俸は150万ドル。出来高払いを含め最高で400万ドルとなる。

メジャー昇格した際の年俸は150万ドル。出来高払いを含め最高で400万ドルとなる。

 昨季終了後、レッドソックスからFAとなっていた松坂大輔の新天地が、インディアンスに決まった。メジャー各球団のキャンプインを目前に控えた時期でもあり、「駆け込み移籍」の感は拭えなかったものの、最後まで松坂自身の信念が揺らぐことはなかった。

 FA市場解禁後、松坂の希望は、日米両国のマスコミを通じて、あくまでも「メジャー契約」と言われ続けてきた。満足できるオファーがなければ日本復帰とのウワサも絶えず、実際、DeNA、ソフトバンクなどの国内球団が獲得に乗り出す意向を表明していた。

 だが、それらの経緯や諸条件は、あくまでも交渉の当該者でもある代理人側を媒介とした「建て前」だった。松坂の本心は、別の次元で確たるものとして定まっていた。年が明け、米西海岸で自主トレを続ける松坂は、金銭面などの条件を度外視して、今季へかける自らの思いを口にした。

「僕が何のために米国に来たのか、何をしに来たのか。その思いは、今も変わっていません」

イチローとの再戦、古巣との勝負……先発としてマウンドに立つ。

 高額年俸などを望むことなく、松坂が唯一こだわっていたのは、「先発として投げられるか」だけだった。だからこそ、オフ期間は改めて自分と向き合った。2011年、「トミー・ジョン」と言われる右ヒジ手術から復帰して2年目。全力で投げたい気持ちを抑えつつ、悪癖となり始めた首痛の治療を最優先しながら体調管理を続けてきた。沸き起こる焦りや不安を体内で制御する一方で、新天地でマウンドに立つイメージを、冷静な頭脳に描くことも繰り返してきた。

 結果的に、インディアンスとはマイナー契約となったものの、意に介することではなかった。実際、マーリンズからはメジャー契約の提示も受けたが、より先発のチャンスが多いチームを選んだ。松坂の心から「何のために来たのか」という思いが消えることはなかった。

 同じア・リーグでプレーするイチローとの再対決、古巣レッドソックス戦での登板……。松坂が期するものは、実に幅広く、奥深い。

「絶対にやり返してみせます」

 移籍先が未定だった頃、ポツリと漏らした言葉は、プロ入団直後、敗れた相手に「リベンジ」と表現した当時と、同じ意味合いに聞こえた。

関連コラム

ページトップ