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<箱根5区、ポスト柏原を探せ> 三度、「山の神」は現れるのか。 

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photograph byHitoshi Mochizuki(AJPS)

posted2012/12/20 06:01

<箱根5区、ポスト柏原を探せ> 三度、「山の神」は現れるのか。<Number Web> photograph by Hitoshi Mochizuki(AJPS)
4年間、山を支配し続けた男。その激走を再検証し、
5区の特殊性と新スター誕生の可能性を考える。

新春の風物詩、箱根駅伝。
本日発売の雑誌Number Do『体が変われば人生が変わる!?』より、
特別公開します!

“山の神”と呼ばれ、箱根の山でスポットライトを浴び続けた柏原竜二が今春、卒業した。

 主役がいなくなった箱根駅伝の象徴区間、5区山上り。そこで今年はどんなバトルが繰り広げられるのか。新たなスターランナーは登場するのか。

 柏原の4年間を記録と周囲の証言から再検証することで、5区の魅力と新たな“山の神”誕生の可能性を考えていきたい。

「1時間16分台は簡単に破れるものじゃない」(東洋大・酒井監督)

「あいつの出した1時間16分という記録はそう簡単には破れるものじゃない。今回からは“神様”のいない箱根駅伝になります」

 柏原を4年間指導した東洋大の酒井俊幸監督は、冗談っぽく笑いながらも教え子の凄さをこう振り返った。

 そもそも“山の神”という呼称は、'06年に距離が長くなった5区で、予想以上の区間記録をつくった順天堂大の今井正人に対して使われたものだ。2年連続の山での衝撃的な走りに、翌日のスポーツ新聞には「今井、山の神だ」というタイトルが躍った。

 そしてそのフレーズを一気に浸透させたのが、最後の山に挑んだ4年の今井が、往路優勝のゴールテープを切った瞬間に飛び出した、「いま、山の神、ここに降臨」という日本テレビのアナウンサーによる名実況だろう。

距離変更が行われて以降、1時間19分未満の選手はたった3人だけ。

 5区は'06年に区間距離変更が行なわれており、全区間で最長の23.4kmになっている。それ以降の歴代記録を「表1」にまとめた。

●5区歴代10傑(距離変更があった2006年以降)
  氏名(大学・学年) 記録 開催年/区間順位
1位 柏原竜二(東洋大・4年) 1時間16分39秒 2012年/1位
2位 今井正人(順大・4年) 1時間18分05秒 2007年/1位
3位 駒野亮太(早大・4年) 1時間18分12秒 2008年/1位
4位 村上和春(駒大・4年) 1時間19分30秒 2006年/2位
5位 大江啓貴(明大・3年)★ 1時間19分34秒 2012年/2位
6位 安西秀幸(駒大・4年) 1時間19分38秒 2008年/2位
7位 山本修平(早大・1年)★ 1時間19分52秒 2012年/3位
8位 小野裕幸(順大・4年) 1時間19分56秒 2009年/2位
9位 天野峻(神大・4年) 1時間20分02秒 2011年/3位
9位 竹下正人(日体大・4年) 1時間20分02秒 2009年/3位
※★は現役選手

 表1を見ていくと1時間20分を切った選手は通算8人しかおらず、19分未満は3人だけ。7年間で延べ140人のランナーが走ったことを考えると、800mあまりを一気に駆け上がっていくこの区間の難しさがよくわかる。

【次ページ】 新旧“山の神”を比較して浮かび上がった、柏原の強さ。

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