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ソチへの“第一関門”突破。
カーリング日本、逆襲開始。
~3年ぶり男女とも世界選手権へ~ 

text by

松原孝臣

松原孝臣Takaomi Matsubara

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photograph byAFLO

posted2012/12/13 06:00

前回は最下位に沈んだ男子も奮闘。共に決勝で中国に敗れ「反省点も多い」と口を揃えた。

前回は最下位に沈んだ男子も奮闘。共に決勝で中国に敗れ「反省点も多い」と口を揃えた。

「現状は崖っぷち」と表現して旅立ってから半月。

「男女、笑顔であるのを嬉しく思います」

 中部電力主将、市川美余の言葉のとおり、選手誰もが笑顔で帰国した。

 11月下旬に行なわれたカーリングのパシフィックアジア選手権(PACC)で、男子日本代表のSC軽井沢クラブ、女子の中部電力が揃って準優勝し、来年3月の世界選手権出場権を獲得した。日本が出場するのは男女ともに3年ぶりとなる。

 背水の陣だった。今大会で2位以内に入れず世界選手権出場を逃していたら、ソチ五輪出場も消滅していたからだ。

 女子の場合、中国と韓国の壁が厚く、厳しい戦いが予想された。だが予選リーグを3位で通過し、同2位の韓国との決勝進出決定戦で連勝したのである。スキップの藤澤五月は勝因をこう分析した。

「自身のことですが、昨年の大会で最下位だった要因はメンタルだと思いました。不安になると作戦やショットに影響するんです。仲間を生かすも殺すも私、と意識してきた結果だと思います」

 市川はこう語る。

「カーリングはコミュニケーションが大切ですが、今年は遠征が多かったので一緒に長い時間を過ごせて、言いたいことを言い合えるようになりました」

 昨年の屈辱をばねに取り組んできた成果だったのだ。

世界選手権での成績で決まる、五輪出場権獲得への険しい道。

 世界選手権出場を決めたとはいえ、ソチはまだ遠い。五輪出場権は'12、'13年の世界選手権の総合成績上位7カ国と開催国のロシアに与えられ、残り2カ国は選手権出場国で1ポイント以上取っている国々によるプレーオフで決まる。'12年は出場していないためゼロポイントだから、険しい道には変わりない。それでも直近の世界選手権で4位の実績を持つ韓国を倒した自信は今後の糧になる。

 世界選手権の日本代表は、来年2月の日本選手権の成績によって選出されるので、男女ともに軽井沢と中部電力が出場するとは限らない。ただ、日本の地盤沈下を懸念する声が絶えなかった中、結果を出したのは、どのチームにとっても「日本はまだやれる」と励みになるはずだ。

 カーリングは、オリンピックに出場するたびに注目を集め、競技の地位を向上させてきた。その流れをつなげるためにも、日本勢の逆襲に期待したい。

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