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本命・東洋大を東海大が追う展開か?
全日本大学野球選手権を展望する。 

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小関順二

小関順二Junji Koseki

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photograph byNIKKAN SPORTS

posted2010/06/05 08:00

本命・東洋大を東海大が追う展開か?全日本大学野球選手権を展望する。<Number Web> photograph by NIKKAN SPORTS

5月29日の早慶1回戦、慶応のエース・竹内大助は9回途中まで1失点と好投して早大・斎藤佑樹に投げ勝つ。翌々日の早慶3回戦でも5回を4安打2失点と粘りの投球で勝ち投手となり、慶応11季ぶり32度目の優勝の原動力となった

 6月8日からスタートする第59回全日本大学野球選手権の出場校が決まった。会場は例年同様、神宮球場と東京ドーム。トーナメント表は別掲(全日本大学野球連盟HP)の通りだ。

 1日目の好カードは神宮球場で行われる東海大―白鴎大、東京ドームで行われる佛教大―東北福祉大の2試合である。東海大は'07、'08年の準優勝チームで上位常連校、白鴎大は所属する関甲新学生野球連盟に注目すると、'03年から7年連続初戦突破の実績を誇る。その間8強進出を3回果たし、10勝7敗と勝ち越している。それ以前の10年間が6勝10敗であることを考えれば、リーグの飛躍には目をみはるものがある。

 東海大はエース・菅野智之(3年)が150キロ級のストレート、1番伊志嶺翔大(4年・中堅手)が走攻守3拍子揃ったプレースタイルに注目が集まり、2人以外でも鈴木翔(3年・指名代打)、伏見寅威(2年・捕手)など多彩なタレントを揃え、個人技では白鴎大を上回る。

 佛教大対東北福祉大は、ドラフト1位が確実視される快速球左腕・大野雄大(佛教大)と東北福祉大の強力打線のガチンコ対決が最大のみどころだ。総合力では'04年の優勝校・東北福祉大が上を行くが、大野は今季7勝1敗、失点0が5試合という圧倒的なピッチングを展開、スキがない投手になっている。先制点を奪うような展開になると、佛教大のペースで試合が進むことになりそうだ。

 2日目も同カードを勝ち抜いた2チームの試合が楽しみ。東海大―白鴎大の勝者が対戦する大阪体育大には好素質に注目が集まる松葉貴大、宮川将という2年生の左右投手が控え、阪神大学野球連盟としては初めてとなる2年連続ベスト4進出を狙う。佛教大―東北福祉大の勝者が対戦する八戸大には全日本候補に名をつらねたことがある左腕・塩見貴洋(4年)が今季、5勝0敗、失点0と完璧なピッチングを展開、侮れない存在になっている。

左右投手の4枚看板に足で掻き回す打撃陣が魅力の東洋大。

 ベスト8進出校をこれまでの実績を重視して予想すると東海大、同志社大、大阪学院大、慶応大、東北福祉大、広島経済大、東洋大、創価大という顔ぶれになるが、昨年は富士大(北東北大学野球連盟)の決勝進出、創価大(東京新大学野球連盟)、関西国際大(阪神大学野球連盟)のベスト4進出と予想を覆す展開になっているので、8強の顔ぶれが大きく変わる可能性はある。

 強豪校にも触れると、東洋大は左腕が藤岡貴裕(3年)、乾真大(4年)と2枚揃い、右腕はスライダーに特徴のある鹿沼圭佑(4年)、快速球右腕・内山拓哉(3年)と有力投手が左右バランスよく4人揃い、打線もドラフト候補・坂井貴文(外野手)を筆頭にベストナイン選出5人と、スキのない顔ぶれになっている。

 他校と大きく異なるのは、リーグの看板にもなっている全力疾走を1~4番の上位打線が率先して行っているところ。控えクラスにも俊足が揃い、その気になればチーム全体でダイヤモンドを駆け回る野球もできる。こういうチームを他で探すのは難しい。

【次ページ】 東京六大学を11季ぶりに制した慶応も侮れない。

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