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ルーニーを抑えてトップ下を掴め!
プレミア開幕で見せた香川の可能性。 

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山中忍

山中忍Shinobu Yamanaka

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photograph byREUTERS/AFLO

posted2012/08/21 12:10

ルーニーを抑えてトップ下を掴め!プレミア開幕で見せた香川の可能性。<Number Web> photograph by REUTERS/AFLO

プレミアリーグ開幕戦にトップ下でフル出場した、マンUの香川。チームは0-1の敗戦に終わったが、香川は巧みなポジショニングとパスで味方のシュートチャンスをおぜん立てした。

 マンチェスター・ユナイテッドのプレミアリーグ開幕戦で、日本人MFが先発メンバーに名を連ねる。一昔前であれば、漫画の世界でしか考えられなかったような出来事だ。しかし、今夏にボルシア・ドルトムントからマンUに引き抜かれた香川真司は、現実の世界で、堂々の開幕戦先発デビューを果たした。

 8月20日の2012-13シーズン第1節、アウェイでのエバートン戦。背番号26の赤いユニフォームを着た香川は、スポットライトならぬナイター照明の下、満員のグディソン・パークのピッチでキックオフを迎えた。しかも、ポジションは、自身が好むトップ下。ウェイン・ルーニーの背後での先発起用には、チーム合流直後に「アタッキングサードで“違い”を見せられる新戦力」と香川を評した、アレックス・ファーガソン監督の期待がそのまま表れていた。

 チームとしての結果は0-1の敗戦だった。

 57分、ロングボールの標的となっていたマルアヌ・フェライニにCKから決められたヘディングシュートが決勝点となった。プレミア初体験の23歳にすれば、フェライニの高さにやられた黒星発進は、イングランドならではの現実を味わったと言えるかもしれない。だが、香川個人は、同時に、マンUで主力となり得る事実をも示した。指揮官が、最後までトップ下を香川に任せ続けたのも、プレシーズンを通して得た手応えを、本番初戦のベンチからも確認していたからに違いない。

セットプレー以外のチャンスの全てに絡んだ香川。

 4-2-3-1システムを採用したマンUは、ポール・スコールズとトム・クレバリーの両センターハーフがフェライニに手を焼き、左サイドでは本来CFのウェルベックが存在感を欠き、右サイドのナニも相手左SBのレイトン・ベインズに封じられて、攻撃にも苦しんだ。約7割のボール支配率の割に、セットプレー以外の好機は6度に限られた。しかしながら、その全てに香川は絡んでいる。

 最初のチャンスは、香川が初めてボールに触れた直後の8分、自陣内からルーニーに送ったパスによって生まれた。39分には、ダニー・ウェルベックにもスルーパスを通している。前半最大のチャンスにルーニーが打ったヘディングも、香川のクロスに合わせたものだ。

 ルーニーは、56分にもゴールに迫った。香川からのダイレクトパスは、特筆すべきものでもなかったが、シュートを可能にしたのは、足を止めずに右サイドに流れることで、ルーニーのマークについていたベインズをつり出した香川の動きだった。67分、ボックス内でクレバリーのシュートをお膳立てした香川は、79分、自らが、途中出場のロビン・ファンペルシからの折り返しに走り込んでシュート寸前まで迫った。

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