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女子ソフト42年ぶり世界一。
五輪前に健在をアピール。
~北京から4年で変わったこと~ 

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photograph byAtsushi Sugimoto

posted2012/08/08 06:00

女子ソフト42年ぶり世界一。五輪前に健在をアピール。~北京から4年で変わったこと~<Number Web> photograph by Atsushi Sugimoto

優勝を決め、セレモニーに出席する選手たち。今大会のスタジアムの収容人数は1500人程度。

 北京五輪から4年、ソフトボール女子日本代表がカナダで行なわれた世界選手権で再び世界一に輝いた。

「厳しい試合も多かったですけど、上野由岐子投手を中心に、強い気持ちで何とか最後は、'70年大会以来の世界一まで勝ち取ることができたのかな」と選手団の広報として帯同した吉田徹氏が振り返る。

 大会では北京を思い起こさせるような熱戦が続いた。準決勝で米国に一度敗退。敗者復活戦を経て、8連覇を目指した米国との決勝を延長10回2-1で制した。エース上野は、北京での2日間3連投を上回る、3日間4連投。決勝トーナメントを1人で投げ抜き、ロンドン五輪直前にソフトボールの健在ぶりを示した。

 それでも五輪の正式種目から外れ、注目度が下がったこともあり、選手が戦う環境は、かつてとは“雲泥の差”だった。

「会場はバンクーバーから飛行機で2時間ほどの田舎の街。アラスカに近いところで、大会の運営は手作りというか温かさはあったんですけど」(吉田氏)

 スコアボードの表示に不具合が生じることもしばしば。取材に訪れた日本人記者は1人だけだったという。

若手の引退、代表辞退……逆風に立ち向かった、宇津木監督。

 この4年間、選手たちの気持ちも揺れ動いた。将来を嘱望された選手が現役引退を表明し、'09年には上野も代表を一度辞退したこともあった。

 そんな中で昨年、世界選手権に臨むにあたり、選手としてアテネ五輪でも活躍した宇津木麗華が代表監督に就任。なでしこジャパンにも刺激され「日本のソフトボールのために勝たなきゃいけない」という新監督の下、代表から離れていた一部の選手も復帰し、結束を新たにした。

 北京にも出場したショートの西山麗も復帰した選手の1人。決勝の緊迫した雰囲気の中、ベンチで「やっぱりこういうのっていいですね」と思わずつぶやいた。

「代表の中にも子供の頃、テレビで五輪を見たのが、ソフトボールを始めるきっかけだったという選手は多い。そういう憧れの舞台がなくなったことへの危機感はあります」と吉田氏は語る。

 日本が優勝した7月22日、国際野球連盟と国際ソフトボール連盟が統合し、改めて'20年夏季五輪での野球・ソフトボールの復帰を目指すことが発表された。

 グラウンドで精一杯ベストを尽くした選手。その声を胸に関係者の戦いは続く。

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