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摩訶不思議なAFCと
日本はどうつきあうか。
~世界化を阻むアジアサッカーの壁~ 

text by

浅田真樹

浅田真樹Masaki Asada

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photograph byToshiya Kondo

posted2010/05/29 08:00

摩訶不思議なAFCと日本はどうつきあうか。~世界化を阻むアジアサッカーの壁~<Number Web> photograph by Toshiya Kondo

国際Aマッチデーに行なった対バーレーン戦。岡崎慎司と本田圭佑が得点して2-0で勝利

 いまひとつ盛り上がりに欠けるワールドカップの、さらにその陰で、来年1月にカタールで開催されるアジアカップの組み合わせが、ひっそりと決まっていたのをご存じだろうか。

 グループBに入った日本の同組は、対戦順にヨルダン、シリア、サウジアラビア。4年に一度、大陸王者を決めるアジア最大の大会にしては、何とも物足りない、地味な組み合わせである。

 元々、上位の8カ国程度とそれ以外とでは力の差があり、決してレベルが高い大会とは言えないアジアカップ。そのうえ、今回から「AFCチャレンジカップ」なる不思議な制度まで導入されてしまったのだから、もはや大会の権威も何もあったものではない。

アジアカップのレベル低下を招くおかしなルール。

 今回のアジアカップ予選は、19カ国を5組に分けて行なわれたが、そこに参加できないFIFAランキング下位国を対象にAFCチャレンジカップを'08、'10年の二度開催。各優勝国には、アジアカップへの出場権が与えられたのだ。

 アジアカップのレベル向上や公平性という観点から言って、まるでおかしなルールがまかり通っているのである。

 また、前回大会から開催年を1年前倒しにしたことで、来年1月の大会はワールドカップ終了から約半年で開かれてしまう。多くの国がワールドカップを基軸に監督交代やチーム作りを行なうことを考えれば、強豪国ほど新チームを立ち上げて間もない。大会の質を高めるには明らかにマイナスに作用している。

アジアにいながら世界を追いかけることの難しさ。

 それでも、AFCはわが道を行く。最近では、ワールドカップ前の重要な国際Aマッチデーにアジアカップ予選を組み込む愚策もあった。AFCの地位向上のために、アジアの代表を後押ししようなどという姿勢は感じられない。

 そもそも湾岸諸国あたりでは、アジアカップよりもガルフカップが重要視される風土なのだから、グローバルな視点など求めようもないのかもしれないが。

 アジアに身を置いて世界を追いかける作業というのは、実は相当難しい。日本も高い意識を持っていなければ、気づいたら世界に水をあけられていた、ということにもなりかねない。

 稚拙な代表監督選びにマッチメイク。そこには、アジアにいながらにして世界を目指すことの覚悟は感じられない。

■関連コラム► アジア杯・ヨルダン戦 「奇跡には理由がある」 ~鬼神・川口のスーパーセーブ~ (ナンバーW杯傑作選/'05年1月掲載)
► <カタール探訪記> 世界一退屈な街の世界一贅沢なフットボール。 (08/12/04)

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